お米をインターネット経由で買っている人、どこで買っているのだろうか(最新)
2019/05/03 05:09
かつてはお米のような重量のある食品を購入する時には、そのお店の店員が自宅まで配送してくれるのがサービスとして重宝されていた。現在では大手食品スーパーなどで高齢者世帯向けのサービスとしてそのスタイルが注目され、相次ぎ導入されている。他方、インターネットに掲載されている商品を注文して購入するインターネットショッピングでは、購入した商品は宅配業者などによって自宅まで配送されるため、配送サービスと同じ利便性を得ることができることから、お米などの重量のある食品でも利用が進んでいる。今回は今回はJC総研が2019年3月22日に発表した、農畜産物の消費行動に関する調査結果をもとに、インターネット販売などでお米を購入する人たちにおける、具体的な購入サイトなどについて確認をしていくことにする(【発表リリース:農畜産物の消費行動に関する調査結果】)。
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今調査に関する調査要件は先行記事【お米を食べる機会は減っているのだろうか】を参考のこと。
最初に示すのはお米の購入にインターネット販売などを利用する人における、その理由を複数回答で尋ねたもの。「など」とあるのは厳密には設問として「お米を購入するために利用したことのあるネット販売・宅配サービス・通販」とあり、インターネットによる通販以外のルートでも回答対象となるため。ただしインターネット以外では「カタログ販売・頒布会など」「テレビ・ラジオショッピング」など限定的なルートでしかなく、後述する利用ルートの上位陣ではそれらは顔を見せていない。
↑ お米の購入にインターネット販売などを利用する理由(利用者限定、複数回答)(2018年度)
最上位についた理由は「重いお米を持たずに済む」で82.4%。一人暮らしでも一度に購入するお米の量は5キロから10キロ。夫婦世帯ともなれば一度に10キロや20キロはまとめて購入したいところだが、その重さになると歩きや自転車での帰宅は難儀させられる。自動車でも積み下ろしの際に腰を痛めてしまうかもしれない。その点で、インターネットで注文ボタンを押せば、自宅まで運んでくれるインターネットの通販は非常に便利な存在に違いない。
次いで「色々な価格帯のお米が選べる」「色々な種類のお米が選べる」が続く。いずれも店頭における展示種類をはるかに超えた多様な種類から好きな、気になるお米を選択できるインターネットによる通販のメリットを理由に挙げている。
おおよその理由はお米に限った話では無く、インターネットによる通販を利用した時のメリットに違いない。一方で商品の重量や種類の豊富さ、そして常に消費されるという特性を持つ食品では、よりメリットが際立つことも事実ではある。
それでは具体的にどのようなサービス、サイトを利用しているのだろうか。前述の通り設問そのものはインターネットによる通販以外も含めた店舗購入以外のサービス全般について尋ねているのだが、上位陣はインターネット通販サービスのみが名前を連ねる形となった。なおグラフの値は全体比。例えば2018年度の楽天市場は6.4%とあるので、インターネット通販などを利用した人の6.4%ではなく、調査対象母集団全体のうち6.4%が、楽天市場でお米を購入したことがあると回答している。
↑ お米を購入するために利用したことがあるインターネット販売など(複数回答、上位選択肢、全体比)
最上位は楽天市場で6.4%、次いでヤフーが2.9%、アマゾンが2.8%と続く。事実上この3サービスがお米をインターネットの通販などで購入する際の主力ルートとなる。次いでイオン、イトーヨーカドー、西友といった大手スーパーが名前を連ねている。ただしその大手スーパー群の利用率は1%前後で、差異もほとんど無い。
4年分しかデータが収録されていないが経年変化を見ると、楽天市場は漸減、ヤフーはほぼ横ばい、アマゾンは漸増していたが2018年度で急落の動きを示している。回答実数が比較的少数なので(例えば2018年度の楽天市場は単純計算をすると128人)統計上のぶれが生じている可能性は否定できないが、楽天市場の圧倒的な優位性は継続中ではあるものの、いくぶん陰りが見えてきたと見ればよいのだろうか。
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