先進国の中央値は67%…主要国のソーシャルメディア利用状況(最新)
2019/02/19 05:12
インターネットの普及、特にスマートフォンの利用拡大に伴い、人々の生活に大きな変化をもたらしている技術・サービスのトップに挙げられるのがソーシャルメディア。不特定多数への情報伝達を容易にし、情報の価値や性質も大きな変化を生じさせている。今回はアメリカ合衆国の民間調査会社Pew Research Centerが2018年春に実施した携帯電話関連の世界規模での調査結果報告書【Smartphone Ownership Is Growing Rapidly Around the World, but Not Always Equally】を基に、主要国のソーシャルメディアの利用状況を確認していくことにする。
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調査要綱は先行記事【世界主要国のスマートフォン普及状況】を参照のこと。
次に示すのは単純なソーシャルメディア利用率。設問では「普段からソーシャルメディアを使っていますか」と尋ね、具体例としてFacebookとTwitter、そして国毎に多用されているソーシャルメディアが追加で挙げられている。例えば日本ならばmixi、インドならWhatsAppが加えられている。
まずは先進国。
↑ ソーシャルメディア利用率(先進国)(2018年春)
先進国の中でもっともソーシャルメディアの利用率が高いのはイスラエルで77%、次いで韓国の76%、スウェーデンの73%。先進国の中央値は67%だが、日本ではわずか43%と、今回対象となった先進国の中ではもっとも低い値を示している。
報告書でも指摘されているが、ソーシャルメディアの利用率は多分にスマートフォンの利用率と連動するところがある。もちろんパソコンを使ったインターネット経由でもソーシャルメディアは利用できるが、ソーシャルメディアの本質「いつでもどこでも気軽に一人言感覚で語る」を考えると、パソコンよりもスマートフォンの方がより有意義に使えるのは容易に理解できよう。
他方、例えばドイツのスマートフォン所有(利用)率は78%と高い値を示しているが、ソーシャルメディア利用率は44%でしかない。スマートフォンの所有率以外にも、ソーシャルメディアの利用率にはそれぞれの国のさまざまなお国事情が少なからず影響を与えているようだ。
続いて新興国。
↑ ソーシャルメディア利用率(新興国)(2018年春)
調査対象国となった新興国のうちもっとも高い値を示しているのはメキシコの66%。先進国ならイギリスが同じ値。続いてフィリピンの59%、ブラジルの58%、南アフリカの52%。少なくともこれらの国においては、日本よりもソーシャルメディアの利用率は高いことになる。日本の43%とほぼ同じなのはケニアの42%。新興国の中央値は49%で、これも日本の43%より高い。
インドが一段と低い値を示しているが、これはスマートフォンだけでなく従来型携帯電話も含めた携帯電話そのものの所有率がまだ低いため。スマートフォン所有率は24%でしかなく、従来型携帯電話も40%。携帯電話を所有していない人は36%に達している。
詳しくは別の機会で解説するが、日本のソーシャルメディア利用率がひときわ低いのは、若年層(18-34歳)では無く中年層(35-49歳)と高齢層(50歳以上)の利用率が他国と比べて非常に低い値に留まっているため。特に高齢層では19%でしかない。人口比率の高い高齢層で低い値が計上されているため、全体でも低い値に留まってしまう次第ではある。日本の高齢層のスマートフォン所有率はさほど低いわけでは無いので、日本の高齢者は他国と比べ、ソーシャルメディアから距離を置きたいという何か別の理由でもあるのだろう。
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