「インターネット上で初めて知り合った親友がいる」アメリカ合衆国の子供では15%(最新)
2019/01/31 04:57
インターネットを用いたソーシャルメディアも意思疎通のためのツールの一つに過ぎないのだが、これまでのツールとは異なる機能を持つことから、意思疎通の幅は大いに広がりを示している。この状況下におけるアメリカ合衆国の親友事情について、同国の民間調査会社Pew Research Centerが2018年11月28日に発表した調査報告書【Teens’ Social Media Habits and Experiences】から確認していくことにする。
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今調査の調査要綱は先行記事の【アメリカ合衆国の子供達は普段からどのようなことをソーシャルメディア上に投稿しているのだろうか(最新)】を参考のこと。
次に示すのはインターネット経由であるか否かを問わず、親友(単なる知人、友達ではなく回答者が「親しい間柄」と認識している存在)がいるか否かについて、各属性ごとに答えてもらったもの。例えば「同じ学校」は87%とあるので、同じ学校に親友と呼べる対象がいる人は87%となる(親友とは呼べなくても友達がいる場合は該当しない)。
↑ 該当する属性の親友がいる(アメリカ合衆国、13-17歳、複数回答)(2018年)
具体的にどのような間柄かはともかく、異性の親友がいる人は61%。異なる人種・民族の親友がいる人は60%。インターネット上で初めて知り合った親友がいる人は15%となる。ちなみにどのような属性でも親友と呼べる人はいないと回答しているのは2%とのこと(該当するもの無しが3%だが、提示された属性以外で親友と呼べる対象がいる人は1%存在していることになる)。
今件調査項目で報告書では一部の属性について詳細を伝えている。具体的には「低年収世帯の子供は高年収世帯と比べると、親友と呼べる人がいる比率は低い。また親友の人数も少ない傾向がある」「白人系は黒人系と比べて異なる宗教の親友がいる比率は高い」「低年齢層よりも高年齢層の方が、異性の親友がいる比率は高い」とのこと。
今件調査ではこれらの選択肢のうち、「インターネット上で初めて知り合った親友がいる」に注目し、詳細の属性を開示している。
↑ インターネット上で初めて知り合った親友がいる(アメリカ合衆国、13-17歳、属性別)(2018年)
男女別ではわずかに女性の方が値は高く、年齢階層別では年が上の方が、保護者の学歴別では低学歴の方が値が高い。それぞれ男性より女性の方がコミュニケーションへの意欲が旺盛だから、年が上の方がさまざまなインターネット上のサービスを利用できるからという理由が想像できるが、最後の保護者の学歴別できれいな差異が生じているのは説明が難しい。
インターネット上でのみの付き合いのリスクについて、高学歴の保護者は色々と学んでおり、子供にその危険性を教え諭しているということだろうか。あるいは世帯年収とも連動性があることから、高学歴≒高世帯年収の子供は付き合う領域が広くなるため、インターネット上で初めて知り合う親友がいなくても問題は無い、機会が無いということかもしれない。
なお報告書では追加属性情報として「高頻度でインターネットにアクセスする子供は、インターネット上で初めて知り合った親友がいる比率は高い」と説明している。
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