「ソーシャルメディアは何の役に立つ」アメリカ合衆国の子供達の考え方(最新)

2019/01/30 05:16

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2019-0118ソーシャルメディアはインターネットを使ったコミュニケーションや情報発信のツールに過ぎないのだが、使い方次第で(よし悪しは別として)多様な効用が発揮されることは否定のしようがない。アメリカ合衆国の子供達はその効用をどこまで認識しているのだろうか。同国の民間調査会社Pew Research Centerが2018年11月28日に発表した調査報告書【Teens’ Social Media Habits and Experiences】から確認していくことにする。



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今調査の調査要綱は先行記事の【アメリカ合衆国の子供達は普段からどのようなことをソーシャルメディア上に投稿しているのだろうか(最新)】を参考のこと。

次に示すのはソーシャルメディアのよい点としての効用について具体例を挙げ、その内容に同意するか否かを「大いに同意」「それなりに同意」「同意しない」の選択肢から1つ選んでもらい、そのうち同意系の回答を抽出してグラフ化したもの。

↑ ソーシャルメディアの効用の認識(アメリカ合衆国、13-17歳、ソーシャルメディア利用者限定)(2018年)
↑ ソーシャルメディアの効用の認識(アメリカ合衆国、13-17歳、ソーシャルメディア利用者限定)(2018年)

用意された選択肢の中では「さまざまな肩書や経験を持つ人との交流」への同意率がもっとも高く69%、次いで「自分の考えとは異なる視点での見方の確認」が67%、「問題解決の糸口を見出す」が66%と続く。回答率はほぼ同率で、事実上この3選択肢は同じような同意感を得られていると考えてよいだろう。いずれもたくさんの情報に接することができるインターネット、ソーシャルメディアの利用における効用としては、大いに納得できるものではある。

他方、「確からしい情報の確認」は37%に留まっており、「大いに同意」の回答率は7%でしかない。検索で解答やヒントを求めても出てくる発言は偽情報やネタ話ばかり、ソーシャルメディア上の他人に聞いても答えてくれるか否かは相手次第で、その内容が正しいものかも裏付けは無い。ソーシャルメディアに限らずインターネット上の情報を検索して結果を見極め、自分が望む正しい情報を得るためには、相応の知識やテクニック、そして何よりも経験が必要なのだが、それがまだ十分に備わっていない、あるいはそもそもそういう技が必要であることが分からないので、結果として偽情報に振り回されているのが現状である以上、「確からしい情報の確認」としてソーシャルメディアの効用は認識できないということなのだろう。

他方、ソーシャルメディア上の情報のうちノイズ的なものを除外したり、必要なものとそうで無いものを選り分けたり、さらには自分自身の投稿を削除・閲覧制限をする機会や思惑を持つこともあるはず。その実情は次の通り。

↑ ソーシャルメディア上で普段から次の行為をしているか(アメリカ合衆国、13-17歳、ソーシャルメディア利用者限定)(2018年)
↑ ソーシャルメディア上で普段から次の行為をしているか(アメリカ合衆国、13-17歳、ソーシャルメディア利用者限定)(2018年)

フィルタリングを用いたりリスト化したりなどで「特定種類のコンテンツのみ表示するようにタイムラインを調整する」のは時々まで合わせると47%。一方で自分の投稿を削除する人は3割程度だが、いわゆる黒歴史化するのを嫌っての削除は34%、保護者に見られたく無くて削除する人は30%となっている。自分の投稿の削除に関しては、少なくともアメリカ合衆国の子供達はさほど積極的には行っていないようだ。

報告書では属性別の傾向について、削除関連はほとんど違いが無いとする一方、「特定種類のコンテンツのみ表示するようにタイムラインを調整する」に関しては、13-14歳が37%だが15-17歳では51%だと説明している。年齢が上の方が実施率が高いのは、自分の思い通りに調整するのが難しいからだろうか。


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