アメリカ合衆国の子供達のソーシャルメディアの利用内容やよい点・悪い点の認識(最新)
2019/01/29 05:16
ソーシャルメディアは情報発信・意思表示が気軽にできるメディアであることから、多様な可能性を持つとともに大きなリスクを抱える存在でもある。分別がまだ十分にできていない子供には相応の教育と経験が無いと、色々と面倒なことが生じる可能性がある。子供達自身はどのような事柄をソーシャルメディアに投稿し、よい点や悪い点に関して認識しているのだろうか。アメリカ合衆国における子供達の実情について、同国の民間調査会社Pew Research Centerが2018年11月28日に発表した調査報告書【Teens’ Social Media Habits and Experiences】から確認していくことにする。
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今調査の調査要綱は先行記事の【アメリカ合衆国の子供達は普段からどのようなことをソーシャルメディア上に投稿しているのだろうか(最新)】を参考のこと。
次に示すのはソーシャルメディア上にどのようなことを投稿しているのか、その内容と投稿頻度について尋ねたもの。
↑ ソーシャルメディア上に投稿している内容と頻度(アメリカ合衆国、13〜17歳、ソーシャルメディア利用者限定)(2018年)
自撮りはソーシャルメディアの利用方法としてもっともよく知られているものだが、アメリカ合衆国の子供達の間においても、ソーシャルメディア利用者の半数近くしか事実上投稿していない。見方を変えれば半分近くも、しばしば・時々の頻度で投稿しているとも読めるが。
ソーシャルメディアは閉じた設定をしない限り、原則として世界に向けた情報発信をすることになるのだが、それでも自分の身近な友達にのみ分かる物事を投稿する人が多く、時々の頻度まで合わせると半数を超える。いかにも身内でのやり取りのような会話がソーシャルメディア上で交わされている状況はしばしば目にするが、その傾向は年を問わず、国を問わずのようだ。
自分の現状や自分が撮った動画を投稿する人は、時々の頻度まで合わせると4割強。何か拡散したい内容を投稿する人は3割に達している。
報告書では一部の属性別動向についても説明がある。「女性は男性よりも自撮りを投稿する割合が高い」「白人系よりも黒人系、ヒスパニック系の方が自撮りを投稿する割合が高い」「黒人系は白人系よりも拡散したい内容を投稿する割合が高い」などである。
それでは子供達はソーシャルメディアのよい点や悪い点について、どこまで自覚しているのだろうか。代表的なよい点・悪い点を列挙し、その内容に同意するか否かを「大いに同意」「少し同意」「同意しない」のいずれかから選んでもらい、そのうち同意する系統の値を算出したのが次のグラフ。
↑ ソーシャルメディアのよい点と悪い点に同意する人の割合(アメリカ合衆国、13-17歳、ソーシャルメディア利用者限定)(2018年)
友達の日常生活を詳しく知ることができるという点でソーシャルメディアを評価する人は84%、創造的な物事を披露できるは74%、友達の気持ちに触れられるは71%、辛い時に支えてくれる人がいるは70%。友達の定義は調査票や報告書には無いので、現実における友達以外にインターネット上で知り合った友人も含まれると思われるが、そのような人達との距離感を縮め、時間を共有できる体験ができるのは、大きなメリットと認識できるに違いない。
他方、よい点と比べれば悪い点は同意率が低いのも特徴の一つ。挙げた例以外の悪い点があるのかもしれないが、少なくともこれらの観点で考える限りでは、ソーシャルメディアはメリットの方が多いと認識されているのだろう。
ただし、悪い点に列挙されている「投稿の際に自分の見栄えを気にしなければいけないというプレッシャー」「コメントやいいねを得るために投稿しなければならないというプレッシャー」がそれなりの同意率を示しているのを見るに、投稿者の悩み事はどこにおいても同じなのだろうなあ、という感はある。
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