ニュースの情報源を多角的に利用しているか否か、西ヨーロッパ諸国の実情
2018/11/26 05:14
社会の日々の移り変わりや国内外のさまざまな動向を知るのに欠かせないニュース。今では新聞やテレビ、ラジオ以外にインターネットを介して多様なニュースを手に入れることが可能になった。それではそれらの情報源について、人々は単一のものに執着しているのだろうか、それとも多数を多角的に利用しているのだろうか。西ヨーロッパ諸国の実情について、アメリカ合衆国の民間調査会社Pew Research Centerが2018年5月14日に発表した調査【「In Western Europe, Public Attitudes Toward News Media More Divided by Populist Views Than Left-Right Ideology」】の報告書を基に確認していく。
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今調査の調査要綱は先行記事【西ヨーロッパ諸国でニュースの情報源としてもっとも使われているのはテレビ、デンマークやスウェーデンではオンラインが最多】を参照のこと。その記事にもある通り、今調査の対象国では「テレビ」「インターネット」「ラジオ」「紙媒体」とニュースの情報源を区分した場合、多くの国ではテレビがもっとも多数の人に使われていた。
↑ 少なくともニュースの情報源として毎日1度以上利用する媒体は(複数回答)(2017年10-12月)(再録)
4つの選択肢の合算がどの国も100%を超えていることから、複数の情報源を利用している人がいることは明らか。それでは具体的に、どれほどの人がニュースの情報源を複数利用しているのか。それを具体的に尋ねたのが次のグラフ。ゼロの人も併せて回答してもらっているので、情報源からニュースを取得しない人の実情も推し量れる。
↑ 少なくともニュースの情報源として毎日1度以上利用する媒体の数は(2017年10-12月)
もっとも情報源が多い「3つか4つ」の回答率はスウェーデンがもっとも多く50%。18歳以上の半数はニュースの情報源に関して「テレビ」「インターネット」「ラジオ」「紙媒体」のうち3つか4つを利用していることになる。さほどニュースを気にしない人にとっては、多忙さを感じさせるような状態かもしれない。そのスウェーデンではゼロの回答も3%と、イタリア同様に今調査対象国では最少の値を計上しており、ニュースへの関心度が高いのかもしれない。
「3つか4つ」の多い順にドイツ、デンマーク、イタリア、オランダ、スペイン、フランス、イギリスと続くが、「2つ」の値は大きな違いは無く、「1つ」「ゼロ」が少しずつ増えていくような傾向がある。それぞれの国の媒体事情(新聞の浸透度合い、テレビ局やラジオ局の多さ、インターネットの浸透度)やニュースを取得する時の文化的な差によるところもあるのだろうが、それぞれの国のニュースへの関心度の高低がそのまま表れていると見てもあながち間違いではあるまい。
また、1つ目のグラフの結果と併せ見ると、多くの国々ではニュースの情報源としてテレビを主要な対象としながらも、他の媒体も積極的に用い、比較検証している可能性が多分にある。無論、環境による使い分け(例えば出勤中にスマートフォンでニュースを確認するのは楽にできるが、テレビでニュースを観るのは難しいだろう)の結果でもあることは容易に想像できるのだが。
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