「YouTube動画を子守のツールとして」アメリカ合衆国では34%がよくあるとの話

2018/11/25 05:13

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2018-1110インターネット回線の高速化と動画再生技術の向上、そして高性能なスマートフォンの普及にともない、動画共有サイト、特にYouTubeは社会に深く浸透し、さまざまな観点で欠かせない存在となりつつある。今回はアメリカ合衆国の民間調査会社Pew Research Centerが2018年11月7日に発表した調査【Many Turn to YouTube for Children’s Content, News, How-To Lessons】の報告書から、同国の幼い子供を持つ保護者が、YouTubeと子供との関係においてどのような認識をしているか、その実情を確認する。



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今調査はPew Reserch Centerによる調査パネルATP(American Trends Panel)によって行われたもので、調査実施期間は2018年5月29日から6月11日。有効回答数は4594人。ATPはRDDで抽出された固定電話と携帯電話番号への通話で18歳以上のアメリカ合衆国居住者に対して応募が行われたもので、国勢調査の結果でウェイトバックが実施されている。

まず最初に示すのは調査対象母集団のうち11歳以下の子供を持つ保護者において、子供にYouTubeを観させたままで放置することがあるか否かを尋ねた結果。保護者自身はYouTubeを利用しているか否かは尋ねていないが、実質的に利用していると考えて問題は無い。「子供がYouTubeを観たままで放置する」ことを自覚するためには、まず子供がYouTubeを観ていることを保護者が確認する必要があり、子供のみで勝手に観賞を始める状況は(環境の設定も併せ)考えにくいからだ。

↑ 子供にYouTubeを観させたままで放置することがあるか(アメリカ合衆国、11歳以下の子供を持つ保護者限定)(2018年5-6月)
↑ 子供にYouTubeを観させたままで放置することがあるか(アメリカ合衆国、11歳以下の子供を持つ保護者限定)(2018年5-6月)

全体では34%がよくある、時々あるが47%、合わせて8割以上は子供の子守ツールとしてYouTubeの動画を利用しているとの結果が出ている。していない保護者は19%でしかない。

例えば親が長編アニメの動画を再生させてそのまま放置するような、DVDプレイヤーの再生と同じ感覚で子供に観賞させることは十分考えられるパターンではある。しかし操作を覚えた子供が再生終了後、さらには再生途中でおすすめ動画として表示される他の動画を選択したり、広告をクリックして他の動画へ再生移行をしてしまう可能性はある。また、該当動画の再生が終わり、自動的に「類似の他の動画」として選択された動画が再生されてしまうこともあるだろう。

子守のツール的にYouTubeを観させて放置していたら、子供がふさわしくない動画を観てしまった(のを保護者が確認できた)という人はどれほどいるだろうか。なお設問票ではふさわしくない動画の説明として単に「unsuitable for children(子供にとって不適切)」とのみあり、具体的な内容は示されていない。単に回答者=保護者がそのように判断できる動画を意味する。

↑ 子供達がふさわしくない内容の動画を観てしまったことがあるか(アメリカ合衆国、11歳以下の子供を持つ保護者のうち子供にYouTubeを観させたままで放置することがある人限定)(2018年5-6月)
↑ 子供達がふさわしくない内容の動画を観てしまったことがあるか(アメリカ合衆国、11歳以下の子供を持つ保護者のうち子供にYouTubeを観させたままで放置することがある人限定)(2018年5-6月)

具体的内容や頻度までは問われていないが、6割強もの保護者が、子供がふさわしくない内容の動画を観てしまったと回答している。ただしYouTubeでは子供の保護者向け機能として、多様な使用制限機能を用意しており(【保護者による使用制限と設定】)、その機能を保護者が使っているか否かまでは今件では問われていないことに注意が必要である。機能を使っている保護者に限定すれば、この回答値はずいぶんと下がるはずだ。

とはいえ、実情として子守ツールとしてYouTubeを使っている保護者の6割強が、ふさわしくない動画を子供の目に触れさせてしまったとの認識をしているのは事実。ゲーム機などで子供が自由にYouTubeが観賞できるようになれば、保護者の心配はさらにつのることだろう。


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