「携帯利用しすぎ」54%、「SNSやりすぎ」41%…アメリカ合衆国の子供達の過度な熱中の自覚度合い
2018/11/09 05:12
携帯電話(従来型携帯電話とスマートフォン双方)は多様な機能を使うことで永遠に時間を費やせそうな気がするほどの楽しみを覚えるし、中でもSNS(ソーシャルメディア)はこの世の終わりまで画面を見続け情報を追いかけリアクションをしたくなるような不思議な感覚すら覚える。自制心の鍛え方に不足感がある子供は、ついつい携帯電話の利用に長時間を過ごしてしまうもの。今回はアメリカ合衆国の子供達の携帯電話に対する夢中度の実情を同国の民間調査会社Pew Research Centerが2018年8月22日に発表した調査報告書【「How Teens and Parents Navigate Screen Time and Device Distractions」】から確認する。
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今調査の調査要綱は先行記事【「携帯やりすぎ」との自覚、子供は54%・保護者36%…アメリカ合衆国の携帯電話利用実情】で確認のこと。
次に示すのは調査対象母集団の子供において、自分自身の利用時間をどのような長さであると自覚しているのかについての結果。例えば「携帯電話の利用時間」は54%が「長すぎる」となっているので、過半数の子供は自分の携帯電話の利用時間が、本来あるべき時間より長時間となっているのを自覚していることになる。勉強や読書ならともかく、保護者からはよい目で見られるとは思い難いので、子供自身も引け目を覚えているに違いない。
↑ 次の事柄への自分自身の利用時間をどのように考えているか(アメリカ合衆国、子供)(2018年3-4月)
SNSの利用時間に関しては41%の子供が長いと自覚し、ちょうどよいとの意見は43%。逆に短いとの意見は13%でしかない。かつて子供が熱中しすぎて保護者が頭を抱える事態が容易に想像できたテレビゲームのプレイ時間は、長すぎるとの回答は26%。むしろ短いとの意見が22%に達している。子供の自覚の観点においてですら、携帯電話の利用時間は長すぎるとの認識が多分であり、問題との意識もあるようだ。
しかし一方で子供達は、自分の携帯電話やゲームの利用時間について、自分達はこれでも随分と時間を短縮してきたのだとの自覚も持ち合わせている。
↑ 自分は次の事柄に対して利用時間を減らしてきた経験がある(アメリカ合衆国、子供)(2018年3-4月)
携帯電話の利用時間に対する回答率が一番低く、次いでSNS、そしてもっとも高いのがテレビゲーム。「利用時間を減らしてきた」との回答率が高いからこそ「利用時間が長すぎる」との意見が少なくなるとの解釈もできるが、それにしては「利用時間を減らしてきた」の回答率の差が小さすぎる。これはむしろ、携帯電話やSNSの利用時間はまだまだ減らせる余地があると自覚できるほどの長さではあるが、それでも十分なまでに利用時間を減らしてきたとの自覚の結果かもしれない。
報告書ではこれらの設問に関する具体的な分析は述べられていない。「利用時間が長すぎる」の回答率に関して、SNSでは女子の方が高い値(男子は35%、女子は47%)だが、テレビゲームは男子の方が高い値(男子41%、女子11%)を示しているとのみ補足説明がある。また人種や世帯収入による差異は生じていないと説明している。世帯収入における差異が生じていないのは不思議な話ではある。
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