官公庁の文書を読んでいない人は43.6%
2018/10/03 05:12
文化庁は2018年9月25日、平成29年度分の「国語に関する世論調査」の結果を発表した。それによると官公庁などが示す文書を読むことは無いと回答した人は43.6%に達していることが分かった。広報誌などを読む人でも38.2%に留まっている(【平成29年度「国語に関する世論調査」の結果について】)。
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今調査は2018年3月に全国16歳以上の男女に対して個別面接調査方式で行われたもので、有効回答数は2022人。調査対象の抽出方式や属性別構成比は非公開。
官公庁では日々多様な発表を文書の形で提示している。昔は直接官公庁やその支部などの公的機関に足を運んで請求しなければ多くの文書は読むことはできず、時折公共の掲示板にポスターが掲示されたり、新聞の折り込みや投函される形でのチラシとして目に留めることができる程度だった。今では各官公庁ともにインターネットを用いて積極的な情報開示をしており、多くの文書が公開直後から読めるようになっている。
しかし一方で、公開の仕方が十分で無い、広報宣伝の方法に問題があるなどの理由で、周知効果は今一つなのが実情。例えば【竹島を知った経由「テレビ・ラジオ」が95%、求める取り組みも「テレビ」が最多回答(最新)】にもある通り、竹島に関する情報の認知経路として官公庁が提供する文書に該当する選択肢の回答率はお世辞にも高いとは言えない。
それでは全般的に官公庁の文書を読むか否かに関して、実情はどのようなものなのか、それを確認した結果が次のグラフ。全体では43.6%の人が、経路を問わず読むことは無いと回答した。
↑ 官公庁などが示す文書を読むことがあるか(複数回答、あるもの)(2018年)
今項目からでは興味が無いので読まないのか、触れる機会が無いので読めないのかまでは分からないが、4割強の人が官公庁の文書を読まない状況は、好ましいとは言い難い。
読む人においては、もっとも多いルートは「官公庁発行の広報誌など」で38.2%、次いで「官公庁作成のチラシやポスター」が23.3%、「官公庁から出る通達や通知文」が17.0%。新しいメディアとして該当する「官公庁のウェブサイト」は15.5%でしかない。複数回答の回答率としては低い感は否めない。
昨今ではインターネットの長所を活かし、動画でビジュアル的な資料を提供したり、ソーシャルメディアなどで即時に情報を開示するなど、官公庁側でも多様な情報発信の創意工夫をしている。しかしながら現状では既存の告知媒体に今一つ及ばない状態なのが実情。あるいはもっと親しみやすいアプローチや気軽に利用できる切り口が必要なのかもしれない。
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