ソーシャルメディア上での知り合いと実際に会うかどうか、その実情(最新)
2018/09/07 04:41
インターネットは素性を隠したままで情報発信を容易に行えるツールのため、その場で知り合った人と現実に対面することにはリスクがあるとの指摘も多い。子供向けのインターネット利用のための教材には「インターネット上で知り合った人の誘いに乗って実際に会おうとしないように」との注意書きもあるほど。それでは実際に、情報発信を容易に行えるサービスであるソーシャルメディアで情報発信をしている人において、どれほどの人が実際に(オフラインで)知り合いと対面しているのだろうか。総務省が2018年7月3日に公開した2018年版となる最新の【情報通信白書】にて行われている独自の調査の結果を基に、その実情を確認していく。
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該当調査は「ICTによるインクルージョンの実現に関する調査研究」。調査要綱は先行記事の【日本や諸国のソーシャルメディア利用実情】を参照のこと。
次に示すのはそれぞれのソーシャルメディアにおいて情報発信を積極的にしている人に限定し、そのソーシャルメディアで知り合った人と実際に対面した経験が一度でもある人の割合。特に但し書きは無いが、家族や学校での知り合いや会社の同僚など、すでに実際に対面している人とソーシャルメディア上で知り合った場合は除かれ、ソーシャルメディア上のみで既知となった人を対象としていると見てよいだろう。
↑ オフラインで会うかどうか(各ソーシャルメディアで積極的に情報発信をしている人限定、一度でもある人)(2018年)
もっとも多い回答率を示したのは「掲示板」で63.7%、次いで「その他のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)(mixiなど)」の56.0%が続く。これらで多数の人が該当するのは、そのサービスの歴史が古く、長年の利用の中で信頼に足る存在だと認識できるケースが多々あること、利用者の年齢の上でリスクを回避できると判断したからだと考えられる。
一方で「Facebook」が52.4%と高い値を示しているのは、利用者の素性を明らかにしている場合が多く、ビジネスで使われるケースも多々あるからだと考えられる。他方、「Twitter」でも50.1%と高い値を示しているのは不思議な感がある。同好の士が集まりやすく、その筋でのオフ会などを開きやすいということだろうか。
これを会う度合いの詳細で区分したのが次のグラフ。
↑ オフラインで会うかどうか(各ソーシャルメディアで積極的に情報発信をしている人限定、詳細)(2018年)
「メーリングリスト」の「頻繁にある」の値が異様に高いが、これは元々の利用方法(ある程度信頼がおける間での情報網としての利用)という性質が反映されたものと考えられる。
それ以外では「掲示板」「その他のSNS(mixiなど)」「Facebook」は「頻繁にある」の回答率が高め、「Twitter」は低めとなっているのが目に留まる。相手への信頼度合いが影響しているのだろう。信頼度合いの観点では「オンラインゲーム/ソーシャルゲーム」「ブログ」「LINE」の低さが低いのも納得がいく(前述の通り今件での「会う」は、あくまでもソーシャルメディア上で初めて知り合った人を対象としていることに注意)。
白書ではこれらの傾向について各サービスでの傾向には触れずに、
と言及している。他国の実情を見てみたいところだが、今項目は日本のみが対象となっている。残念な話ではある。
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