インターネットで知り合った人を信頼するのに重要なことは何だろう(最新)
2018/09/06 04:55
インターネットは距離間を気にせずに意思疎通が可能な便利なツールで、特にソーシャルメディアはその利用ハードルの低さから多くの人に利用され、日々多様なやり取りが交わされている。他方、直接の相対によるやり取りなどと比べると情報の秘匿が容易であることから、知り合った対象に信頼を置けないとする認識も強いものとなる。今回は総務省が2018年7月3日に公開した2018年版となる最新の【情報通信白書】にて行われている独自の調査の結果を基に、インターネットで知り合う人を信頼するかどうか判断する上で、どのようなことを重要視しているのか、その実情を確認していく。
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該当調査は「ICTによるインクルージョンの実現に関する調査研究」。調査要綱は先行記事の【日本や諸国のソーシャルメディア利用実情】を参照のこと。
次に示すのはインターネット上で知り合った人に対して信頼を置く場合、どのようなことを判断基準とするか、複数回答で尋ねた結果。もっとも多くの人が同意を示したのは、「相手のオンラインでの発言(内容)」で28.7%が同意を示していた。
↑ インターネットで知り合う人を信頼するかどうか判断する上で重要視していること(複数回答)(2018年)
単発の発言だけでは判断が難しいが、ソーシャルメディアならば該当者の過去の発言は容易に確認ができるし、ウェブサイトやブログでも匿名のもので無ければ過去の記事を探すことはできる。発言内容の記録がその人の履歴書となり、人となりを精査する材料となるわけだ。
次いで多いのは「相手の名前が分かること」で27.9%、「相手のメールアドレスなどの連絡先や、他のサービスで利用しているアカウントが分かること」の22.2%が続く。要は行動の傾向も含め、素性が容易に確認できる相手であるということなのだろう。
他方、「重要視していることは特に無い」とする意見も49.8%とほぼ半数。特に条件は無く、何となく信頼できるか否かを決めている、あるいは元々信頼などしないということだろうか。ともあれ、半数近くの人は特定の条件でインターネット上の相手を信頼するか否かを決めるようなことはしていない次第ではある。
これを男女別に区分した上で年齢階層別に見たのが次以降のグラフ。まずは男性。
↑ インターネットで知り合う人を信頼するかどうか判断する上で重要視していること(複数回答、男性)(2018年)
大よそ年上ほど「特に無い」とする意見が多く、若年層ほど回答率が高い。若年層はインターネット上の相手を信頼するにあたり、多様な条件付けをして慎重に判断しているように見える。ただし「相手のメールアドレスなどの連絡先や、他のサービスで利用しているアカウントが分かること」に限ってはむしろ高齢層の方が高くなっており、他サービスでの動向の確認は高齢層の方が関心を寄せているように見える。
続いて女性。
↑ インターネットで知り合う人を信頼するかどうか判断する上で重要視していること(複数回答、女性)(2018年)
傾向としては男性とさほど違いは無いが、「特に無い」とする回答率が男性よりも低めで、特定項目の回答率が高めとなっている。女性は男性と比べ、信頼するに値するか否かの判断の際に、より注意深く慎重になっているようだ。
特に「相手のオンラインでの発言(内容)」「相手の名前が分かること」では男性よりも高い値が出ており、相手の素性の確認ができることを重視している傾向にあることが分かる。
白書では今件傾向について、次のようにまとめている。
これはオンラインに限らず普段の生活全般に当てはまることに他ならない。インターネットですらコミュニケーションのツールの一つに過ぎないのだから。
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