新社会人が思う「よい会社」の判断基準とは(最新)
2019/04/27 05:32
毎日長時間にわたり生活の糧となる給金をもらうための就業を行う場となる会社(職場)。単に働くだけで無く、日常生活の上でも多様なつながりを得る場にもなる、大切な存在であることは誰も否定できない。学業を終えて新たに職に就く新社会人は、自分の人生の少なからずをあずける場となる会社(職場)に対し、どのような希望を持っているのだろうか。ソニー生命保険が2019年4月18日に発表した、新社会人に対して行った意識調査の結果から、新社会人の「よい会社」の判断基準を確認していくことにする(【発表リリース:社会人1年目と2年目の意識調査2019】)。
スポンサードリンク
今調査の調査用件は先行記事【新社会人への「つうこんのいちげき」となる言葉とは!?(最新)】を参照のこと。
次に示すのは調査対象母集団に対して「よい会社」と感じる条件を複数回答で尋ねた結果。上位陣のみをピックアップしている。無論業種をはじめとした就業環境、それぞれの度合い、回答者の認識によるところも少なく無いが、あくまでも一般論、設問の文言からつかみ取れる認識における回答結果となる。
↑ よい会社(職場)だと感じるのはどのような会社(職場)か(複数回答、上位陣)(2019年)
もっとも多くの人が「よい会社」だと認識する条件は「職場の人間関係がよい」。57.0%の人が同意を示している。少なからぬ他人が同じ環境下で長い時間を過ごし、やり取りも行われる。そのような環境で、仲違いばかりだったり、いつもピリピリした雰囲気では、まさに針のむしろ状態で仕事をするようなもの。仕事の効率以前の問題で、健康にすら影響を与えうる。
続いて「福利厚生が充実している」で53.4%。「福利厚生」と一言で表現されているが、実際には多様なものが該当する。どれほどのものを望んでいるかは人それぞれだが、例えばドリンクの無料サービス、法定健康診断以外のさまざまな健康サポート、休憩所の設置、美味しい食事を安価で提供する社員食堂、充実した休暇制度、育児や介護支援などが挙げられる。会社側にはコストの上乗せとなるが、就業者には就業時間を過ごしやすくなる、健康の維持が容易となる、余計なストレスをためずに済むようになる、就業し続けることへの不安が減るなど、メリットは多い。そして就業者にとってのメリットは、まわりまわって会社側にもメリットとなる。ここまでが過半数。
続いて「給与が高い」で46.3%、「残業前提の働き方で無い」が33.0%、「自分の持つ知識や能力を活かせる仕事に携われる」が31.1%、「能力を高める機会がある」30.7%。手取りが多いという現実的な話以外に、人材を使い捨てにしないのならば当たり前の方針が上位に連なっているのは注目に値する。見方を変えれば、少なからぬ企業(職場)でこの基本的な要素が無い、欠けているとも考えられる。
これを男女別で見たのが次のグラフ。
↑ よい会社(職場)だと感じるのはどのような会社(職場)か(複数回答、上位陣、男女別)(2019年)
多くの項目で女性の方が回答率は高い。今調査項目は複数回答であるから、女性の方が会社(職場)に求める要望は強いことになる。特に上位陣の「職場の人間関係がよい」「福利厚生が充実している」は男女差が大きく開いている。また「通勤の便がよい」「柔軟な働き方ができる」でも男女差が大きいことから、女性の新社会人は就業時において安寧な時間が過ごせること、就業とプライベートの区分を明確にしたいとの思惑が男性より強いようだ。
他方「能力を高める機会がある」「事業・経営に将来性がある」は男性の方が女性よりも大きな差異をつける形で高い状態。長きにわたり同一会社(職場)で就業し続け、自身を磨いていくことを前提に考えているのかもしれない。
ちなみに社会人1年生と2年生で区分した上で集計するとこのような結果となる。
↑ よい会社(職場)だと感じるのはどのような会社(職場)か(複数回答、上位陣、社会人としての年数別)(2019年)
大きな変化は見られない。「福利厚生が充実している」「柔軟な働き方ができる」「事業・経営が安定している」「事業・経営に将来性がある」である程度大きな差が生じ、社会人2年生の方が低い値を示しているのは、1年間の就業の中である程度慣れ、あきらめが生じたからかもしれない。他方「給与が高い」で社会人2年生の方が高いのは、やはり1年間の就業で大切さを再認識したからなのだろう。
■関連記事:
【残業が多い人ほど職場の雰囲気的な問題を実感している】
【職場の昼食誰と食べる? 男性一人で、女性は同僚と】
【職場で旧姓を通称として使いたい人は3割強】
スポンサードリンク