食事をしながらのテレビや新聞・雑誌の利用の年齢別実情(最新)
2018/04/06 05:05
食事をとる際の「ながら行動」は行儀が悪いとの指摘は少なく無いが、一方で新聞を読んだりテレビを見ながらの食事のスタイルは多くの人が当たり前のように行っているのも事実。今回は総務省統計局が2017年7月14日以降順次結果を発表している2016年社会生活基本調査の結果を用い、食事時の「ながら行動」としてよく知られている、テレビ観賞と新聞や雑誌の閲読の関係の実情を、年齢階層別で確認していく(【平成28年社会生活基本調査】)。
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今調査の調査要綱は先行記事【ボランティア活動の実態】を参照のこと。
次に示すのは食事(朝食・昼食・夕食を問わず)の際に、挙げられている行動を「ながら行動」(同時行動)としてしている人の割合。例えば70代前半の男性は9.8%と出ているので、70代前半の男性で食事をする人のうち1割近くは、新聞や雑誌を読みながら食事をしている計算になる。
↑ 食事時の同時行動者率(新聞・雑誌)(2016年、平日、15歳以上)
元々新聞や雑誌を読まない人は食事中に読むことも無いため、新聞や雑誌の閲読傾向とも浅からぬ関係が生じることになる。未成年では男性で1.2%、女性で2.5%の人が読んでいるが、20代はほぼゼロ。30代に入ると男性が大きく伸びるが、40代から50代前半ではむしろ女性の方が高い値を示す。50代後半以降は再び男性の方が高い値となり、60代後半から70代前半にかけては9%台にまで達する。食事をしながら新聞を読むイメージは、多分に中堅層以降の男性にあるのだが、実際には中堅層では男女とも、高齢層になると男性の方が一層読むというのが実情のようだ。
もっとも最大値を示す70代前半の男性でも9.8%。その年齢階層の1割にも満たないのが現状。
同じ食事時の「ながら行動」の対象としては、新聞よりもむしろ多くの人が行っているであろうテレビ(の観賞)はどうだろうか。
↑ 食事時の同時行動者率(テレビ)(2016年、平日、15歳以上)
保護者などから行儀作法の点で指図を受けている可能性がある15-19歳では3割前後、20代から30代前半までは男性で2割強、女性では3割台。新聞や雑誌の閲読と比べればはるかに高い値だが、中堅層以降と比べて低めに留まっているのは、代わりにスマートフォンなどを操作しているからかもしれない(が、年齢階層別の食事時の同時行動に関しては、スマートフォンの操作も含まれる「コンピューターの使用」は該当データが確認できない)。また、テレビそのものを普段から観賞しているか否かも少なからず関係しているのだろう。
男性は50代前半、女性は40代後半から、大きく値を伸ばしていく。女性は5割前後、男性は4割後半から5割ぐらいの値でほぼ安定する。大雑把に表現すると、男性は50代、女性は40代後半以降において、半数ぐらいの人が食事をする際にテレビを見ている計算になる。
食事の際の「ながら行動」は行儀が悪いだけで無く、注力が分散するために料理をこぼしたり消化が悪くなるとの指摘もある。一方でテレビ閲覧の実情を見れば分かる通り、今や日常生活の上で浸透した様式となったものもある。どのように対処するかは個々の認識に任せるしかあるまい。
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