アメリカ合衆国の国民は日本の外交戦略、平和国家としての営みをどこまで評価しているか(最新)
2020/04/19 05:17
自己防衛能力の体現化としての自衛隊をはじめとした各種行政執行力は別として、日本は太平洋戦争後において国家間侵略戦争を成さないとの宣言を発し、それを遵守している。このような日本の平和国家の営みに関して、アメリカ合衆国国民はいかなる評価をしているのだろうか。今回は外務省が2020年3月18日に同省公式サイト内において発表した、アメリカ合衆国における対日世論調査の結果から、その実情を確認していく(【発表リリース:令和元年度海外対日世論調査】)。
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調査概要に関しては今調査に係わる先行記事【アメリカ合衆国の日本への一般人信頼度85%・有識者は89%に(最新)】を参考のこと。
次に示すのは質問時点で総理に就任している安倍総理大臣における、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の立場としての意思表明「地域及び国際社会の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献していく」(【日本の安全保障政策(外務省)】、【日本と国際社会の平和と安定に向けた取組(外交白書2017・外務省)】)とそれに従った外交施策は、どこまで世界の平和維持や国際秩序の安定に役立つと認識されているのかを、アメリカ合衆国内の一般人に聞いた結果。
↑ 安倍総理は国際協調主義に基づき「積極的平和主義」の立場から、地域および国際社会の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献していく意思を明らかにしているが、このような外交姿勢は世界の平和維持や国際秩序の安定に役立つと思うか(一般人)
「役立つ」「どちらかというと役立つ」を合わせた肯定派は8割超え。今件調査項目は2015年度からのものだが、直近年度では前年度と比べ、肯定派も否定派(「役立たない」「あまり役立たない」の合算)もほとんど変わり無し。否定派は2割足らずに留まっている。中国の軍事的行動の活発化に伴い、日本の姿勢が問われている中で、アメリカ合衆国の一般人の評価は高いようだ。
他方、同じく一般人に対し「戦後70年の日本の平和国家としての歩みについてどう思うか」と尋ねた結果。
↑ 戦後70年の日本の平和国家としての歩みについてどう思うか(一般人)
肯定派(「大いに評価」「ある程度評価」の合算)は85%、否定派(「まったく評価せず」「あまり評価せず」の合算)は16%となり、肯定派が多数となる結果が出ている(発表資料では整数までの表示のため合計が100%を超えることがある)。少なくとも2019年度の時点で戦後日本の基本的外交施策の一つである、平和国家としての歩みはアメリカ合衆国の一般人からは大いに評価されていると判断してもよいだろう。
ちなみに「日本は各分野においてどの程度重要な役割を果たしていると思うか」との質問のうち、「安全保障(含む、テロ対策、海賊対策、PKO)」に関しては次の通り。
↑ 日本は各分野においてどの程度重要な役割を果たしていると思うか(「安全保障(含む、テロ対策、海賊対策、PKO)」、一般人)
特に2015年度以降における評価の高まりが目に留まる。積極的な姿勢が評価となって現れているのだろうか。
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