圧倒的動画視聴…9歳以下の子供達のスマートフォン利用の内情(最新)
2024/04/12 02:46
好奇心旺盛な子供達にとって、スマートフォンが魔法のアイテム的存在であることは言うまでもない。その子供達はスマートフォンでどのようなサービスを利用しているのだろうか。内閣府が2024年3月に発表した、低年齢層のインターネットに関する利用実情を調査した結果報告書から、その中身を確認していくことにする(【令和5年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果】)。
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今調査の調査要綱は先行記事【テレビ5割強、スマホは1/4強、自宅用パソコンやタブレット型端末は4割近く…9歳以下のインターネット利用機器の利用状況(最新)】を参照のこと。
次に示すのは調査対象母集団のうちスマートフォンでインターネットを利用している人における、その利用内容を複数回答で尋ねた結果。動画視聴をしている人がもっとも多く、81.5%を示す形となった。なおグラフの横軸の具体的項目名は報告書の並びに準じている。
↑ スマートフォンによるインターネットで何をしているか(9歳以下、スマートフォンでインターネット利用者限定、複数回答)(2023年)
次いで多いのはゲームの48.5%。スマートフォン本体に初めからインストールされているものか、アプリゲーム、ウェブゲームのような種類の詳細までは問われていないので判断はできないが、スマートフォンでインターネットにアクセスしている子供の半数ほどはゲームをしていることになる。
音楽視聴は23.4%、情報検索は20.9%、撮影や制作、記録は16.1%。メールやメッセンジャー、ソーシャルメディアの利用のようなコミュニケーションは14.9%にとどまっている。
勉強は9.4%と1割足らず。元々スマートフォンを学習目的で子供に使わせているケースもあることを考えると、この値は少なめに思える。あるいは実質的に勉強ではあるものの動画視聴や情報検索として回答しており、明確な形での勉強との認識がないだけかもしれない。他方、読書は0.5%、漫画は1.2%。今調査の限りではスマートフォンで電子書籍などを読んでいると認識している子供はほとんどいないことになる。
子供達のスマートフォンによるインターネットライフは、ほとんどが動画とゲーム、そしてせいぜい情報検索や音楽目的といった表現が妥当だろうか。
これを年齢階層別に区分したのが次のグラフ。
↑ スマートフォンによるインターネットで何をしているか(9歳以下、スマートフォンでインターネット利用者限定、複数回答、年齢階層別)(2023年)
スマートフォンでの動画視聴はゼロ歳から行われている。年齢とともに利用率はおおよそ下がる傾向はあるが、同じタイミングでゲームやコミュニケーションの利用率が上がっているので、興味が動画からゲームやコミュニケーションに移るのかもしれない。また情報検索も5歳あたりから値を伸ばしていく動きを示しているので、インターネットを使っての物事を知ることへの積極性や好奇心が芽生えてくるのは、このぐらいの年からなのだろうかと思わせる。もっとも1歳以上ならどの年齢でも動画を見る人が7割を切ることはない。
音楽視聴は一部イレギュラーがあるが、年齢が上になるに連れて値が延びる傾向がある。動画とは逆の動きとなるのは興味深いところだ。
ぶれも合わせ多少の差異はあるが、年齢を問わず、動画視聴とゲームがスマートフォンでインターネットを使う低年齢層の主な使い道であることに変わりはない。子供達にとってスマートフォンは動画を楽しみ、ゲームで遊ぶ、エンターテインメントマシンのような存在なのだろう。
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