スマホは3割近く、タブレット型端末は1/4…10歳未満のデジタル端末利用実情(2017年)(最新)
2017/05/29 05:12
内閣府は2017年5月19日、低年齢層のインターネットに関わる利用実情を調査した結果として【低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査】を発表した。その内容によると、0歳から9歳から成る調査対象母集団においては、スマートフォンの類を利用している(インターネットの利用の是非は問わず、所有権も問わず)人は約3割に達していることが分かった。ゲーム機は3割強、タブレット型端末は1/4ほどが利用している。
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今調査は2017年1月1日時点で日本全国の0歳から9歳の子供を有する保護者を対象に、同年1月12日から1月30日にかけて行われたもので、保護者による子供の実情などを問う形となっている。調査標本数は2000人、有効回答数は1550人。調査方法は原則調査員による訪問配布・訪問回収法だが、訪問時間などの調整ができない場合に限り、ウェブ調査法や郵送回収法が併用されている(それぞれ11人、26人が該当)。標本抽出方法は層化二段無作為抽出法。
↑ 調査対象母集団(対象となる子供)の属性構成(2017年1月)(人)
調査結果によると、今調査対象母集団においてスマートフォン各種(普通のスマートフォン以外に格安スマホや契約切れスマホなども含む)を利用している人は29.4%となった。これはインターネット機能を利用しているか否かを問わず、また該当端末の所有権を有しているか否かを問わない(保護者や兄弟姉妹との共有も該当する)。
↑ 該当機種を利用しているか(2017年1月、0-9歳、ネット利用を問わず、複数回答)
タブレット型端末は25.8%、ゲーム機(据置型と携帯型合わせて)は31.7%。パソコンはノート・デスクトップを合わせても1割にも満たない。
これを年齢階層別に仕切り分けした結果が次のグラフ。
↑ 該当機種を利用しているか(年齢階層別)(2017年1月、0-9歳、ネット利用を問わず、複数回答)
保護者や兄弟姉妹との共用事例も多分にあるが、スマートフォンは2歳ですでに3割の利用率に達している。以降は9歳(小学校3年生相当)までほぼ変化は無く、3割台を維持。従来型携帯電話各種は6歳から利用率が急速に上昇し9歳で1/3を超えるが、これは多分に子供向け・機能限定型の従来型携帯電話を防犯や連絡用として持たせるため。
パソコンは小学校に上がる辺りから利用率が上昇しはじめるが、大きな伸びを見せるのは9歳になってから。しかしそれでも2割強でしかない。他方タブレット型端末はスマートフォン同様に2歳から大きな上昇を示すが、スマートフォンと違い利用率の上昇は継続し、小学校に入ると4割近くに達する。タブレット型端末が多分に子供の子守り用アイテムとして用いられるだけでなく、学習用(単純な勉学向けだけでなく、デジタル機器の利用の観点でも)としても利用されている実情を想起させる。なおスマートフォン各種とタブレット型端末各種を比較すると、6歳まではスマートフォンの方が利用率は高いが、7歳以降はタブレット型端末の方が高い値を示すようになる。
ゲーム機はインターネットへの接続の是非を問わず遊び道具として、さらには子供同士のコミュニケーションツールとしても利用される機会が多いこともあり、歳を重ねるにつれて利用率は上昇。9歳の時点では7割以上の人が利用していることになる。
今件調査は保護者による回答だが、該当年齢においては保護者の下で各種機種を利用するケースがほとんどであり、自分で端末を調達して保護者に隠れて利用する状況は想定し難いため、ほぼ利用実情との差異は無いものとみて間違いはない。特に小学校に上がる前の子供における端末利用状況は調査される機会があまりないため、今件結果は非常に有意義なものに違いない。
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