子供達はタブレット型端末で何をしているのだろうか(最新)
2021/06/26 03:36
スマートフォンほどの派手さ、注目度は無いものの、昨今のデジタル機器界隈で確実に普及しつつあるのがタブレット型端末。スマートフォンより画面は大きく、パソコンよりも機動性に優れていることから、双方のよいところ取り的なポジションにある(見方を変えれば双方の短所を持っていることでもあるのだが)昨今ではキーボードを接続することでノートバソコン的に使える商品も展開しはじめ、興味深い動きを見せているタブレット型端末に関して、子供達がどのような使い方をしているのか、内閣府が2021年3月31日付で報告書を発表した【令和2年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果】のデータを基に確認していく。
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タブレット型端末では動画視聴にゲームに情報検索
今調査に関する調査要項は先行記事の【小中高校生のネット利用端末はスマホが一番、次いでタブレット型端末(最新)】を参照のこと。
次に示すのはタブレット型端末、それに加えて学習用タブレット、さらにはインターネット接続テレビそれぞれでインターネットを利用している人における、その端末による利用内容を示したもの。普段からその目的で利用していると認識した項目に答えてもらっている。「コミュニケーション」とは電子メールやメッセンジャー、ソーシャルメディアなど、他人との意思疎通ができるサービス全般を意味する。なお空欄部分はその属性で回答者がいなかったことを意味する。
↑ インターネットで何をしているか(該当機種でインターネット利用者限定、小中高校生、機種別)(2020年)
まず汎用的なタブレット型端末では、動画視聴がもっともよく行われており7割強。次いでゲーム、情報検索。音楽視聴や勉強・学習も多くの人が利用している。利用傾向としてはパソコンのそれにやや近いかなとの感はある。
他方学習用タブレットでは勉強・学習がもっとも多く9割台。当然といえば当然のお話。それ以外では電子書籍、動画視聴、ゲーム、情報検索など。
昨今では地道に、しかも確実に普及し始めているインターネット接続テレビでは動画視聴の利用性向がもっとも高く7割台後半。テレビの特性を考えれば当然の結果ではある。それ以外ではニュースや音楽視聴、ゲームが高め。これもまた、テレビがおかれているポジション(物理的な意味も併せ)を考えれば納得のいく結果。
これを各機種でインターネットを利用している人に対する割合ではなく、全体比で算出したのが次のグラフ。例えばタブレット型端末の動画視聴は26.1%とあるので、小中高校生全員のうち26.1%が、タブレット型端末を使ってインターネット経由で動画視聴をしていることになる。
↑ インターネットで何をしているか(小中高校生全体比、機種別)(2020年)
タブレット型端末はインターネット利用普及率がそこそこ(全体比で36.3%)あるため、他機種と比べても群を抜いて高い値を示している。動画視聴が2割台後半なのをはじめ、ゲームが1割台後半、情報検索と音楽視聴、勉強・学習が1割台。他方、学習用タブレットやインターネット接続テレビは、全体比ではおおよその項目で誤差の範囲でしかない(学習用タブレットの勉強・学習が8.6%、インターネット接続テレビの動画視聴が11.4%を示している程度)。ポテンシャルはそれなりにありそうだが、まずは機種そのものの普及率向上が必要不可欠には違いない。
高校生に限定すると
今回の調査対象母集団のうちもっとも金銭面での融通性が高く、また年齢の上でも大人に近い高校生に限定した結果が次以降のグラフ。
↑ インターネットで何をしているか(該当機種でインターネット利用者限定、高校生、機種別)(2020年)
タブレット型端末では動画視聴がトップで情報検索も高い値を付けている点は変わらないが、ゲームがいくぶん値を落としている。他の機種動向でも見られた動きで、高校生はゲームそのものへの関心が薄れていることを示唆している(あるいはスマートフォンにおけるゲームへとシフトしているのかもしれない)。一方でニュースや電子書籍などはむしろ値を伸ばしており、実用的な使い方をしていることが分かる(あるいは逆で、実用できるような知識経験を持つようになったからだろう)。
学習用タブレットでは勉強・学習以外も、学習に関係がありそうな情報検索、動画視聴の項目などで高い値。またインターネット接続テレビでは動画視聴以外にニュースや音楽視聴などが高めの値となっている。
これを高校生全体比で算出したのが次のグラフ。
↑ インターネットで何をしているか(高校生全体比、機種別)(2020年)
高校生では2割強がタブレット型端末で動画視聴をしている。勉強・学習が13.2%、情報検索は11.0%、ゲームは10.1%。高い値とは言い難い。これはひとえにタブレット型端末でインターネットを利用する人の割合が小さいため(高校生全体比は29.5%)。おおよそこれらの行為はスマートフォンで可能なため、わざわざタブレット型端末などで行う必要性はないのだろう。
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