米成人の半分以上は「連邦政府やソーシャルメディアは個人情報を適切に取り扱っていないだろうな」と疑っている
2017/02/03 04:58
インターネットが日常生活に必要不可欠なインフラとなり、それを取り扱う各種端末の普及浸透が進むにつれ、情報も多様な場で用いられるようになる。プライバシー要素で占められた個人情報は同時に、あらゆる場面で求められ、入力する機会が生じる。それらの情報は果たして約束されている通りに、開示されている対象にのみ使われているのだろうか、漏洩、さらには他所に悪用されないよう適切な管理がなされているだろうか。不安に思う人も少なくあるまい。今回はアメリカ合衆国の民間調査会社PewResearchCenterが2017年1月26日に発表した、同国におけるデジタル界隈のセキュリティへの認識の実情に関わる調査報告書【Americans and Cybersecurity】の内容をもとに、同国の情報を取り扱う先への信頼性について見ていくことにする。
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今調査の調査要綱は先行記事【4割は自分のクレカで不正請求の経験アリ…米国のセキュリティ経験実情】を参照のこと。その記事でも記しているが、調査対象母集団においては4割強がクレジットカードの不正請求、1/3強が自分の個人情報が不法アクセスされたとの通達を受けた経験がある。
↑ これまでに次のような事象を経験したことがあるか(2016年春、アメリカ合衆国)(再録)
これらの情報、特にデジタル系情報のセキュリティに関わるトラブルは、自分自身のミスによるところもあるが、多分に情報を預けた、使った側によるところが大きい。それでは日常生活で何らかの個人情報を預ける、使う対象において、どれほどのセキュリティ上の信頼をおいているだろうか。適切で堅硬な管理体制の下で、顧客から預かった大切な情報を厳重に管理し、許可されていないような他への流用もせず、ましてや第三者に漏洩し、悪用されるようなことはないだろうか。どこまで信用しているか否かを、主要な情報の預け先別に尋ねた結果が次のグラフ。
↑ 次の端末やサービスを提供している団体・企業が各種情報を適切に取り扱い秘匿を順守していると思うか(それぞれの端末、サービス利用者限定、2016年春、アメリカ合衆国)
列挙した選択肢の中では携帯電話(多分にスマートフォン、以下同)の端末自身のメーカーへの信頼度が一番高く、7割が「情報の管理を徹底し、秘匿の約束を順守しているだろう」と認識している。「いい加減な感じで、漏洩してる、しそうかも」と疑いの目を向けている人は1/4強。今や現金以上に利用が進んでいるともされるクレジットカードも意外に信頼度は高く、ほぼ同率の約7割との値が出ている。
携帯電話はアプリなどのソフト部門でも比較的信頼度は高い。強度の信頼を置いている人は2割ほどに減るが、信頼派はやはり7割近く。電子メールを管理するプロバイダもほぼ同率で2/3は信頼をしている計算となる。疑いの目を向けている人は3割。
回答者がビジネス上のお付き合いを有している相手企業は6割が信頼派。正直なところ相手会社によりけりではあるのだが、見方を変えれば一般企業全体の平均値としてとらえることもできる。
それらよりもはるかに「情報の管理が甘い」と認識されているのは、米連邦政府とソーシャルメディア。強度の非信頼度は連邦政府の方が値は高いが、信頼派の値はソーシャルメディアの方が小さい。
報告書では一部の属性に関してクロス回答などの詳細値の解説をしている。それによると、電子メールの不当利用経験をしたことがある人は「プロバイダが電子メールを適切に処理している」と信頼する値は大きく減り、ソーシャルメディアで不正アクセスを受けた人はソーシャルメディアへの信頼はとりわけ低く、クレジットカードの不正請求経験者はクレジットカード会社への情報管理の信頼に強い疑念を抱いている。
要は自分が情報管理に関して具体的な実害を受けると、その対象への管理体制に強い懸念を持つようになるわけで、ある意味当然の結果には違いない。
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