米成人で過去1年間に電子媒体の書籍のみ読んだ人は6%

2017/01/30 05:15

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電子書籍をはじめとしたデジタル媒体で提供される本の浸透はここ数年で加速度的なものとなり、欧米ではすでに「読書」の概念が紙媒体のみから電子媒体も合わせたものへとの認識が一般的となっている。そのような状況でアメリカ合衆国ではいかなる様式の媒体で、書籍が読まれているのだろうか。同国の民間調査会社PewResearchCenterが2016年9月1日に発表した読書に関する報告書【Book Reading 2016】を元に、その実情を確認していく。



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今調査の調査要綱は先行記事【米国で媒体を問わず年に1冊も書籍を読んでいない人は26%】を参照のこと。

その記事で言及しているが、過去1年間においていかなる媒体でも書籍(コミックや雑誌は除く)を読んでいない人は26%に達していた。逆にいえば、74%は紙、電子、あるいはその双方で少なくとも1冊は書籍を読んでいたことになる。

↑ 過去1年間に媒体を問わず1冊も書籍を読んでいない人(2016年春、アメリカ合衆国)(再録)
↑ 過去1年間に媒体を問わず1冊も書籍を読んでいない人(2016年春、アメリカ合衆国)(再録)

それでは何らかの様式の媒体で書籍を読んだ人は、どのような媒体で読んだのだろうか。「紙媒体」「電子媒体(+音声媒体)」に二分した上で、どちらか一方か、あるいはその双方化で仕切り分けして答えてもらった結果が次のグラフ。たとえ1冊でも該当する媒体で読めば、その条件に合致したことになる。例えば100冊紙媒体の書籍を読み、1冊だけ電子媒体で読んだとしても、回答は「紙・電子双方」となる。

↑ 過去1年間に書籍を読んだか否か(使用媒体別)(2016年春、アメリカ合衆国)(電子媒体には音声媒体含む)
↑ 過去1年間に書籍を読んだか否か(使用媒体別)(2016年春、アメリカ合衆国)(電子媒体には音声媒体含む)

紙媒体のみで読んだ人は38%、電子媒体のみの人は6%、そして紙・電子媒体双方で読んだ人は28%。切り口を変えると、併読したか否かはともかく紙媒体で読んだ人は66%、電子媒体で読んだ人は34%となる。

今結果からは世間一般の認識の限りでは電子媒体が深く浸透したようには見えるが、少なくとも書籍の世界においてはまだ少数派で、電子媒体に完全に切り替えた人はごくわずかでしかないことが確認できる。もっとも「電子媒体のみでしか書籍を読んでいない人」が6%との結果は、多いと認識する人もいるかもしれない。

今報告書では詳しい属性別の詳細値はごく一部のみが開示されている。それによると「電子媒体のみの読者」について、

・学歴が高卒未満では3%だが大卒以上は7%

・世帯年収7.5万ドル以上は8%だが3万ドル以下は3%

・18-29歳は6%、30-49歳は7%、50歳以上は5%

と伝えている。インターネットに関する各サービスの利用状況と類似する傾向で興味深い。特に年齢階層別で中堅層の値が大きいのは、デジタル系のアイテムに対し真っ先に手を伸ばす層(ギークと呼ばれる人たち)が貢献しているのだろう。


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