米国で媒体を問わず年に1冊も書籍を読んでいない人は26%

2017/01/29 05:10

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インターネットの普及浸透やタブレット型端末、スマートフォンなどの機動力の高いネット利用機器の普及浸透に伴い、電子書籍は大きな躍進を成し、読書のスタイルも大きな変貌を遂げつつある。欧米ではすでに本を読む行為に関して、その媒体が何であろうが読書には違いないとの認識が常識となっている。今回はアメリカ合衆国の民間調査会社PewResearchCenterが2016年9月1日に発表した読書に関する報告書【Book Reading 2016】を元に、同国の読書実情を確認していく。



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今調査は2016年3月7日から4月4日にかけて、アメリカ合衆国に居住する18歳以上の男女に対しRDD方式で選択された電話経由で音声対話によって行われたもので、総対象者数は1520人。うち381人は固定電話、1139人は携帯電話(そのうち636人は固定電話非保有者)。国勢調査の結果に基づいた各種ウェイトバックが行われている。

次に示すのは調査時点において過去1年間に媒体(紙、電子、音声)を問わず1冊も書籍を読まなかった人の割合。雑誌やコミックの類は今件には該当しないので、雑誌ばかり読んで書籍を読まなかった人もカウントされている。

↑ 過去1年間に媒体を問わず1冊も書籍を読んでいない人(2016年春、アメリカ合衆国)
↑ 過去1年間に媒体を問わず1冊も書籍を読んでいない人(2016年春、アメリカ合衆国)

全体では26%、1/4強の人が1冊も書籍を読んでいない。男女別では男性の方が多く、年齢階層別では意外にも高齢者の方が高い値を示している。世帯年収別では低年収、学歴別では低学歴の方が値が高いのは、それとなく理解はできる。特に高卒以下では4割の人が書籍の読書経験無しと回答している実情は、色々と複雑な思いを起こさせる。

また今件値は見方を変えれば、100%から引くことで「過去1年間に1冊でも書籍を読んだことがある人」になる。100冊読んでも1冊しか読まなくても、すべてが電子書籍でも紙媒体ばかりでも、読んだことには違いない。

読書をしているか否かに関しては、全体値ではあるものの、媒体別の経年変化が公開されている。

↑ 過去1年間の書籍読書経験がある(アメリカ合衆国)
↑ 過去1年間の書籍読書経験がある(アメリカ合衆国)

数%は統計上のぶれによるものと考えると、総読書率と紙媒体はほぼ横ばい、あるいは微減、電子媒体は増加、音声媒体も微増傾向にある。この動きに関し報告書では「読書率全体としては変化は無い」「紙媒体の書籍のシェアは相変わらず圧倒的な現状」「過去5年間で電子書籍は大きな飛躍。タブレット型端末による読書率は3倍以上、スマートフォンは2倍以上に増加している」「スマートフォンによる読書率は非白人系の人や、高卒以下の学歴の人の間で著しい増加を示している」などと、詳細値の一部を補足として説明している。

この推移は残念ながら詳細報告書にも値を見つけることはできないものの、現状直近分は属性別の状況をいくつか見出せる。今後順を追って掘り下げていくことにしよう。


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