他店舗との価格比較、質問に回答してくれるかな…初めて買おうとする商品の選択基準、米国人の場合
2017/01/19 10:02
これまでに何度も購入したことがある商品ならば自分の経験則を元に再び購入か否かの選択は容易なことで、是非の判断基準は価格や品質、お財布事情ぐらいなもの。しかしまだ買ったことが無い商品の場合、一目ぼれでもない限り、いきなり目の前に現れたその商品を買うのは躊躇してしまう。そのような時、いかなる基準をもとに購入の是非を検討するだろうか。アメリカ合衆国の実情に関して、同国の民間調査会社PewResearchCenterが2016年12月19日に発表した調査報告書【Online Shopping and E-Commerce】を元に確認していくことにする。
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今調査の調査要綱は先行記事【日頃からネット経由で買い物をしている大人は約8割…米国のオンラインショッピング実情を探る】を参照のこと。
次に示すのは冒頭のような状況、過去に購入経験のない商品の購入を検討する場合、どのような基準を重要視するかを尋ねた結果。4つの選択肢「とても重要」「そこそこ重要」「あまり重要でない」「全く重要でない」のうち、前者2つの重要派のみを記載し、その合計も計算している。この値が高い項目ほど、新たに商品を購入する際の判断において重要だと思われていることになる。なお今調査は全体としてオンラインショッピングに関わるものだが、今項目はそれに限らず単に商品を新規購入する場合に関わる話。
↑ 初めて買う商品の選択の際重要視基準(「とても重要」「そこそこ重要」「あまり重要でない」「全く重要でない」のうち重要派意見)(2015年冬、アメリカ合衆国)
各項目の中で一番高い値、つまり新規商品購入の際に重要視される項目は「他の店との価格比較」。重要派は86%に達する。初めての購入機会のため、その商品の相場が把握できず、もしかしたら目の前の商品は他店舗ではもっと安く買える、むしろこの価格は割高なのかもしれないと思うのは人の常である。
次に多数を占める項目は「自分が良く知っている店舗か否か」で84%。自分が良く知る、つまりはよく使っており、何かあってもすぐに対応してもらうことを期待できる店であり、店舗そのものの信頼性をも評価した上で判断となる。また、それに近い項目として「質問に回答」も上位に挙がっている。何か疑問が生じた時、店や商品の提供企業に質問して回答を得られるか否かは、新しい商品購入時には重要な要素となる。
実商品を直に見たり試せるか否かの要素も高い重要性を示している。インターネット経由では画像や映像、利用した人の意見は見聞きできるが、やはり最終的に信用できるのは自分自身の感性ということなのだろう。商品をすでに購入している人のアドバイスや、インターネット上で得られるレビューはそれより低い値に留まっている。最もレビューに関する「とても重要」との判断回答は、実商品を自分で試すよりも高い値を計上しており、興味深い動きには違いない。
インターネット上で購入できるのが重要であるか否かとの判断は42%。「とても重要」は10%でしかない。ネット通販はあくまでも手段であり、それが便利だからこそ多用されているに過ぎない。実商品の調達の際には移動、持ち帰りの際の運送などにおける面倒くささはパスできるが、新商品の購入選択の際にはさほど重要視されない次第ではある。
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