アメリカ合衆国における主要ソーシャルメディアの利用実情(2017年)
2017/01/18 09:56
インターネットの普及浸透やスマートフォンの利用率上昇に合わせ、人のコミュニケーションを大きく後押しすると共に、ライフスタイルに革命的な変化をもたらしたソーシャルメディア。コミュニケーションだけでなく、情報の価値をはじめ、様々な社会領域にまで影響を与えていることは誰もが認識している。今回はアメリカ合衆国の民間調査会社PewResearchCenterが2016年11月11日に発表した調査報告書【Social Media Update 2016】を元に、同国の主要ソーシャルメディアとなるFacebook、Instagram、Pinterest、Twitterについて、その利用実情を属性別に確認していく。
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今調査の調査要綱は先行記事【アメリカ合衆国でのソーシャルメディアの利用実情を探る(2017年)】を参照のこと。
その記事にある通り、今調査の結果の限りでは、主要ソーシャルメディアの「インターネット利用者における」利用率実情は次の通り。
↑ ソーシャルメディア利用状況(2016年春、アメリカ合衆国、成人、インターネット利用者限定)(再録)
これら5つのソーシャルメディアのうち、日本ではさほど馴染みが無く、利用スタイルも他とは大きく異なるLinkedIn以外の4サービスの利用実情を、細かい属性に仕切り分けした上で確認していく。
まずはFacebook。
↑ Facebook利用状況(2016年春、アメリカ合衆国、成人、インターネット利用者限定)
インターネット利用者限定の値であることも一因だが、属性における利用者の多い少ないがあまり見られない。年齢階層別では多少の差異は生じているものの、65歳以上でも62%が利用している。また男女別では女性の方が利用率は高い。世帯年収別で低年収の方が利用率が高いのは、意外に思う人もいるかもしれない。
続いてInstagram。
↑ Instagram利用状況(2016年春、アメリカ合衆国、成人、インターネット利用者限定)
全体では約3割。おしゃれ感の強いマルチメディア系ソーシャルメディアという特性もあり、男女間の差異が大きなものとなっている(当然女性の方が多い)。学歴別ではいくぶん高学歴の方が利用率は上だが、有意な値とは言い難い。年齢階層別では明らかに若年層の利用率が高く、若者向けサービスの雰囲気が強い。
次はPinterest。
↑ Pinterest利用状況(2016年春、アメリカ合衆国、成人、インターネット利用者限定)
全体値ではInstagramとほぼ同率だが、属性比率では大きな違いを見せる。学歴別では高卒以下とそれ以上との間にそれなりの差異が生じ、世帯年収別ではほぼ同率。男女別では圧倒的に女性の方が多く、概算すると利用者の3/4近くが女性となる。自作のアルバムを見せる的なコンセプトが、女性のハートをとらえているのだろうか。年齢階層別の差異もInstagramほど見られないのも、それが原因かもしれない(クロス集計の結果が確認できれば、恐らくは高年齢層にも多分の女性がいるのだろう)。
最後はTwitter。
↑ Twitter利用状況(2016年春、アメリカ合衆国、成人、インターネット利用者限定)
比較しやすいように縦軸の仕切り分けは4サービスすべてで統一しているため、やや空白がさみしい形となってしまった。男女別ではさほど差異は無く、居住地域別もさほど変わらず。年収では3万-5万ドル未満がやや凹んでおり、「高年収ほど利用率が高い」と読むこともできるが、誤差の範囲の感もある。
年齢階層別では若年層、学歴別では高学歴ほど利用率が高い。しかし30歳未満でも4割足らず、大卒以上限定でも3割足らずと、インターネット利用者限定の値としても、「普及している」との表現には今一つ物足りない感は否めない。
今回の各グラフはそれぞれの属性におけるインターネット利用者に対する割合。要は「使える環境を有している人において、実際に使っているか否か」を確認したもの。より利用性向が強く現れた結果ではある(インターネット環境が無い人、使っていない人は、そもそも論としていずれのサービスも使う選択肢自身が無い)。
他方、「ネット利用者限定では無く、非利用者も含めた全体比率が知りたい」もある。そこで先行記事【アメリカ合衆国でインターネットを使っていない大人は13%】で用いた、ほぼ同じタイミングで行われた調査結果を元に、それぞれの属性のインターネット利用者の比率を提示しておく。この値をかけることで、概算ではあるが(期間が微妙にずれている、整数値同士の乗算のためぶれが生じる)、大よその状況は把握できる。
↑ インターネット利用状況(2016年春、アメリカ合衆国、成人)
属性的には「若年層」「高年収」「高学歴」ほど高い値が出ている。今回の各サービス毎の利用率も大よそそれと同じ動きを見せているため、「インターネット非利用者も含めた利用性向」は、値はともかく属性内の傾向には大きな違いは無いだろう。
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