「LEDを自宅に使ってる?」半分程度以上は4割強、使っていない理由は「今のがまだ使える」

2017/01/04 10:55

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内閣府は2016年9月26日、地球温暖化対策に関する世論調査を発表した。それによると調査対象母集団においては、自宅にLED照明を半分以上導入していると認識している人は約4割程度であることが分かった。またそうでない人に導入度合いが低い理由を尋ねると、もっとも多い回答は「現在の照明機器がまだ使えるから」とするもので、半数を超えていることが明らかになった(【発表リリース:地球温暖化対策に関する世論調査】)。



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今調査は2016年7月28日から8月7日にかけて調査員による個別面接聴取法によって、日本国内に住む18歳以上の日本国籍を有するものの中から、層化2段無作為抽出法によって選別された者に対して行われたもので、有効回答数は1816人。男女比は852対964。年齢階層比は18-19歳30人・20代144人・30代226人・40代297人・50代272人・60代409人・70歳以上438人。

消費電力の小ささと多方面における常用電力使用機器への対応が可能なことから、ここ数年の間に急速に広まり、コストダウンも進んでいるLED照明。LEDそのものの耐久年数は長いものの、その機器に使われる他の部品の短寿命さから生じる商品寿命の問題も、少しずつ解決の方向に歩みつつある。他方、現在の導入コストでは利用環境やスタイルと合わせ考えると、結果として利用しても節電はともかく費用の点では割高になる場合(白熱電球よりも蛍光灯の方が良いパターン)もある。

そのLED照明に関して、自宅の照明機器事情を尋ねた結果が次のグラフ。厳密に照明機器をカウントして答えてもらったというよりは、大よその認識での回答と見た方が分かりやすい。また直上の説明の通り、意図的にLEDへ置換していないケースも多々想定できるため、一概に「LEDの使用率が高い方が良い」とは言い切れない。

↑ 自宅の照明機器・ランプの使用状況(2016年)
↑ 自宅の照明機器・ランプの使用状況(2016年)

全体ではおよそ4割強が「LEDの実装が半分程度以上」との認識。「ほぼすべてLED」に限れば14.2%。他方、LEDは一部の導入に留まっているとの回答は1/3を超え、LEDが一切ないとの声も2割近くに登っている。

回答者の属性別では性別ならば女性回答者の方が、年齢階層では高齢層の方が、LEDの導入率は低め。最初からLEDが使われていれば話は別だが、そうでない場合は居住者自身が取り換える必要があるため、本人の意思として、LEDへの取り換えをためらっている場合が多いのだろう。

ではなぜLEDの導入が今一つなレベルに留まっているのか。「一部がLED」「LEDは無い」と回答した人に限定し、LEDの導入が進んでいない理由を複数回答で聞いた結果が次のグラフ。最多回答は「既存の照明が使える」で、55.8%に達していた。

↑ LED照明使用が進んでいない理由(2016年、複数回答、「一部がLED」「LEDは無い」回答者限定)
↑ LED照明使用が進んでいない理由(2016年、複数回答、「一部がLED」「LEDは無い」回答者限定)

要は現在使っている照明機器などについて、壊れずておらず使えるのにわざわざ取り外してLED照明対応のものに付け替えるのはもったいないとする考え方。LED照明は既存の機器に対応したものも増えてきたが、そうでないものもあるため、その場合はLED照明を使う際には照明機器そのものを差し替える必要がある。そこまでする必要は無いとする考え方だろう。

第2位は「現在使用中のを使い切ってから」。LED照明を使える照明機器を使っているが、既存の白熱電球を使い終えてからとする考えで、40.4%。表現はトップの選択肢と似ているが、照明機器本体を「使い切ってから」とは表現しないため、こちらは消耗品となる電球を対象にしていると考えられる。また今選択肢の回答者は、使い切った後はLED照明に切り替えるつもりであると解釈できるため、「一部がLED」「LEDは無い」のうち4割は今後LED照明への切り替えをさらに推し進め、導入率がアップする可能性が多分にある。

続いて「値段が高い」が35.6%。長寿命・省消費電力を考えれば初期導入コストも随分と割り引いて考えられるが、それでもなお白熱電球なとと比べれば高いとの認識も多々あるのが実情。

これを属性別に仕切り分けした結果が次のグラフ。

↑ LED照明使用が進んでいない理由(属性別)(2016年、複数回答、「一部がLED」「LEDは無い」回答者限定)
↑ LED照明使用が進んでいない理由(属性別)(2016年、複数回答、「一部がLED」「LEDは無い」回答者限定)

男女別では大きな差異は無い。「値段が高い」で男性がやや高めに出ている程度。年齢階層別では「切替不可能」「面倒」が若年層、「既存のが使える」「現在使用中のを使い切ってから」「値段が高い」は高齢層が高めに出ている。個々の階層の自宅の実情が透けて見えるようで興味深い。深読みではあるが、若年層は今後もLED照明への切り替えは難しい、高齢層は少なからずが状況の変化に伴い切り替えが推し進められるとも解釈ができる。



昨今ではコンビニでも気軽に汎用タイプのLED電球を調達でき、既存の白熱電球と同じように取り付けるだけですぐに使用できるようになった。価格が白熱電球と比べれば割高となるのは仕方が無いが、節電効果は確実に生じており、利用個数が多ければ多いほど、毎月の電気料金のお知らせの書類でその効果を実感できる。

たとえば工事現場などの破損リスクが高い場所ならともかく、自宅内でまだ白熱電球を用いているのであれば、LED照明への切り替えをお勧めしたい。


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