一番使っているのは検索機能、次いでメール送受信…パソコンで用いている機能の実態(2016年)(最新)
2016/12/18 05:01
インターネットに接続することで飛躍的に便宜性が高まり、元々の高機能性が桁違いに向上することとなったパソコン。昨今ではスマートフォンなど機動性の高い端末に主役の座を奪われつつあるとする解釈もあるが、多彩さや各機能の充実ぶりはパソコンにかなうものではない。今回は2016年7月26日付で博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所が発表した、同所が定点観測を行っている「メディア定点調査」に関わる公開資料をもとに、パソコンがどのような使われ方をしているのかを見ていくことにする(【発表リリース:メディア生活フォーラム2016 「Changing Media Values モバイルシフトで変わるメディア価値」プレゼンテーションレポート公開】)。
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最多利用機能は「検索」
今調査の調査要項や注意事項は先行記事【メディア接触時間推移(2016年)】で説明済み。詳しくはそちらを参考のこと。
次に示すのは全体に占める、パソコンでいかなる機能を用いているか、その実情を確認したもの。対パソコン利用者ではなく、回答者全体比であることに注意。また、頻度や利用場所は問われていない。項目は男性10代の回答率上位陣に合わせ抽出している。
↑ パソコン利用機能ランキング(全体比、2016年、自宅内外を問わず、東京、一部)
もっとも使われている機能は「検索」。全体の8割近くがパソコンで検索をしていると回答している。次いで多いのは「メール送受信」で6割近く。ソーシャルメディアの普及浸透やスパムメールの氾濫状態で、電子メール不要論を多々見受ける昨今だが、頻度はともあれまだ利用している人が多分に及んでいるのが分かる。
次いで「ニュース情報の取得」「ショッピング」「無料動画の閲覧」が続き、ここまでが5割超え。そして「音楽視聴」が続き、「SNS(ソーシャルメディア。今件ではLINEも含む)」が顔を見せる。エンタメ系などが続くが、パソコンで利用している人は2割程度が上限。
男女別に異なるパソコンの利用性向
これを性別・年齢階層別に仕切り分けしたのが次のグラフ。項目序列はやはり男性10代の上位に合わせてある。
↑ パソコン利用機能ランキング(各属性全体比、2016年、自宅内外を問わず、東京、一部)(男性)
↑ パソコン利用機能ランキング(各属性全体比、2016年、自宅内外を問わず、東京、一部)(女性)
グラフ軸は男女で統一してあるが、ぱっと見で女性の棒による面積が少なめなのが分かる。実際、全回答率を加算して比較すると、女性は男性の8割強。元々パソコンの利用率そのものが女性は少な目なのに加え、パソコンを利用していても多機能を使う機会が少ないのが要因。
具体的な傾向としては、男女ともに「検索」をもっとも使うことに変わりはなし。これは年齢階層にも影響されない。他方、男性は10代では「無料動画閲覧」「音楽視聴」「ゲーム」のようなエンタメ色の強い機能が多用される。しかし歳を経るにつれて「ニュース」「ショッピング」などの項目が伸びてくる。「ゲーム」はあまり使われなくなるが、「無料動画視聴」は高い値が維持される。
コミュニケーションツールとしての「メール送受信」は20代以降で高い値が維持される。見方を変えると10代はパソコンにおいては、メールよりもSNSを意思疎通のツールとして多用していることになる。
女性の場合は「ニュース」「メール送受信」のようなビジネス色の強い利用は男性ほど高くは無いものの、「SNS」や「ショッピング」は中堅層以降で高め。男女を問わず40代から50代の6割前後はパソコン経由でネットショッピングをしているとの回答は注目に値する。
今件は元々属性による差が出やすい、パソコン利用率に左右されるところがあるものの、全体比でどれほどの人がパソコン経由で各機能を用いているのかが分かる点では、要留意な値に違いない。検索機能や無料動画の閲覧が性別・年齢を超えて多用されていること、ネットショッピングが中堅層から壮齢層で多々用いられていることは、パソコンの立ち位置を考える上で、大いに参考になる。
余談ではあるが。SNS(ソーシャルメディア)とまとめサイトの利用性向に関して、性別・年齢階層別の動向を算出したのが次のグラフ。あくまでも利用しているか否かのみで、頻度までは確認できないものの、パソコンを用いた各サービスの利用実態が良くわかる結果が出ている。
↑ パソコン利用機能ランキング(各属性全体比、2016年、自宅内外を問わず、東京、一部)(SNS)
↑ パソコン利用機能ランキング(各属性全体比、2016年、自宅内外を問わず、東京、一部)(まとめサイト)
パソコン経由によるソーシャルメディア利用は男性は30代、女性は20代がピーク。まとめサイトは男性は10代がピークで女性は30代がピークだが、男女とも30代までが多用され、40代以降は落ちる。いずれもスマートフォンで多用される機能には違いないが、パソコンでもそれなりに利用率が高く、また若年層に片寄る結果が出ており、注目に値する傾向ではある。
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