男女とも7割台は「現在交際中の異性無し」…未婚者の異性との交際状況(最新)

2025/03/04 02:30

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2025-0216男女が婚姻し結婚関係に至るには、何らかの形で交際期間が必要になる。いわゆる一目ぼれをした場合でも、その場で即時に結婚するはずはない。現在独身状態にある人でも、少なからぬ人は異性と交際し、中には相手との結婚を考えている人もいる。今回は「未婚男女の異性との交際状態」について、国立社会保障・人口問題研究所が2023年8月に発表した、日本国の結婚や夫婦の出生力の動向などを長期的に調査・計量する「出生動向基本調査」の最新版「第16回出生動向基本調査」を基に、現在独身(未婚)者における異性との交際状況の実情を確認していく(【第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)】)。

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未婚者の過半数は現在異性との交際無し


今調査に関する調査対象母集団や集計様式については、出生動向基本調査関連の先行記事【日本の「恋愛結婚」「見合い結婚」の推移】を参照のこと。

次に示すのは未婚者(18-34歳)の回答時点での異性との交際関係を示したもの。「交際」「恋人」の定義は説明文ではされておらず、回答者の解釈次第となる。異性に対して淡い恋心を抱いている・片思い的な状態であったり、あくまでも友達としての付き合いである場合は、今件には該当しない。あくまでも交際している状態に限る。また、過去に異性との交際関係があったか否かは問われていない。

↑ 未婚者の異性との交際状況(男性)
↑ 未婚者の異性との交際状況(男性)

↑ 未婚者の異性との交際状況(女性)
↑ 未婚者の異性との交際状況(女性)

直近2021年では、男性は21.1%・女性は27.8%が、異性の婚約者か恋人がいる状態。男性よりも女性の値が高いのは、婚約者はともかく恋人という言葉に対する考え方の違いか、それとも単に男余り状態の裏付けなのか。

経年の動向を見ると、男女とも今世紀初頭までは増加傾向にあったものの、それ以降は減少に転じている。「未婚者の異性離れ」との表現はあまりにも陳腐だが、先行する各記事において、独身者における「異性との付き合いに不慣れ」との意見が増しているのと合わせ考えると、連動性を覚えさせる。

増加する「異性の相手が居ない」独身者


「出生動向基本調査」では今件項目について継続調査の過程で選択肢が増加したこともあり、完全な形での経年変化を見るのは困難。そこで「異性の交際相手を持たない未婚者の割合」に絞り、それぞれの調査年における年齢階層別にその動きを見たのが次のグラフ。

↑ 異性の交際相手を持たない未婚者の割合(男性)
↑ 異性の交際相手を持たない未婚者の割合(男性)

↑ 異性の交際相手を持たない未婚者の割合(女性)
↑ 異性の交際相手を持たない未婚者の割合(女性)

年齢階層で多少のばらつきはあるものの、昔よりも今に近づくに連れて、回答値が増加している=異性の交際相手が居ない独身者の割合が増えているのが分かる。男性では2010年以降、女性では2015年以降、値の増加度合いが大きくなったようだ。また同じ調査年内では、30-34歳になると値が急に大きくなる傾向が確認できる。

2010年・2015年以降に急増しているのは、就業形態の変化に伴う出会いの場の減少、結婚に対する考え方の変化など、さまざまな理由が考えられるが、未婚者における結婚への道のりが、ますます遠くなっている状況を映し出す一つの結果には違いない。



余談になるが。そして選択肢が設けられたのは2010年分以降なのでまだ3回分しか経年データが無いのだが。異性の交際相手を持たない人について、交際したいと望んでいる人と望んでいない人に分け、そのうち望んでいない人を全体比率で算出したのが次のグラフ。例えば男性の2021年・総数は33.5%とあるので、2021年の独身男性のうち約1/3は、現在異性の交際相手がおらず、また交際をしたいとも考えていないことになる。

↑ 異性の交際相手を持たず特に交際も望んでいない未婚者の割合
↑ 異性の交際相手を持たず特に交際も望んでいない未婚者の割合

18-19歳が高めの値なのはまだ学業などに忙しいのも多分にあるのだろうが、男女ともに30代で再び増加を示すのは、結婚できそうな人はすでに回答対象から外れ(独身者でなくなり)、あきらめている人の割合が増加しているからかもしれない。

また、おおよそだが経年で「(回答時点で)異性の交際相手は要らない」と考えている人は増加を示している。他調査項目でも結婚忌避の動きが確認されており、今件も異性との交際を望まない(興味が無い、あきらめた、他に優先順位が高い事柄があるなど理由はさておき)人が増えていることの裏付けとなる動きには違いない。


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