ネットショッピングの時にレビューはどこまで影響するのか(2016年)(最新)
2016/08/25 04:57
インターネットの普及浸透で大きく生活を変えたサービスの一つが、ネットを経由して商品・サービスを注文できるインターネットショッピング(ネットショッピング)。手数料や配送先制限の問題もあるが、大よそ日本中のどこからでも注文ができ、望みの商品の注文を行い、届けてもらうことができる。仕組み的には電話を用いた注文とさほど変わりないのだが、インターネットを利用することで注文が気軽に行え商品検索・比較がし易く、そして他の利用者などの意見を容易に確認できるのがメリット。今回は総務省が2016年8月17日に発表した2016年版の【情報通信白書】の詳細値が確認できるHTML版をもとに、ネットショッピングにおいてレビューがどこまで影響しうるか、その実情を確認していくことにする(【発表リリース:平成28年「情報通信に関する現状報告」(平成28年版情報通信白書)の公表】)。
スポンサードリンク
今調査の該当部分の調査要項「GDPに現れないICTの社会的厚生への貢献に関する調査研究のアンケート調査」に関しては、先行記事の【音楽や動画の視聴サービスの利用と有料・無料の関係(2016年)(最新)】を参照のこと。
次に示すのは調査対象母集団(インターネット利用者)のうちネットショッピングサイトを利用する人における、レビューの参考度合い。特定サービス名は提起していないので、サービス全般の利用の際の回答者自身の普段の行動性向が回答に表れていると見て良い。
↑ レビューをどの程度参考にするか(2016年3月、インターネット利用者のうちネットショッピングサイト利用者限定)
大よそ若年層ほどレビューを参考にする人が多く、高齢層ほど少ない。「どちらとも言えない」との回答は年齢によって変わるところは無い。若年層ほどレビューに強い影響を受けるようだ。しかしながら60代でも7割近くの人が、ある程度以上はレビューを参考にすると答えている。
それではレビューを読んで参考にする際に、どのような点を主に重要視するのか。いくつか選択肢を提示し、もっとも重要度の高いものを答えてもらった結果が次のグラフ。
↑ レビューを読む際にどの点を主に重視するか(2016年3月、ネットショッピングサイト利用者のうちレビューをまったく参考にしない人以外限定)
若年層ほど情報量の多さや新しさを優先し、高齢層ほど信頼性を重要視する。また、少数ではあるが評価の数量的な分かりやすさも高齢者は好む傾向がある。
ウェブ上の情報は概して、量の多さやスピード感、速報性を求める声が大きいとはよく聞かれる話ではあるが、それはネットショッピングにおいても変わるところは無い。ただし年上の人になると、情報の多さや素早さよりも、信頼性にウェイトを置くようになる。興味深い傾向には違いない。
では実際に、レビューに目を通した結果、実商品の購入を決定したことがあるか。
↑ レビューを読んだ事で購入商品を決定した事があるか(2016年3月、ネットショッピングサイト利用者のうちレビューをまったく参考にしない人以外限定)
高齢者ほどレビューに影響されて購入した機会は無い、少ないとする回答率は高い。ただしこれは「これまでに何回利用したか」については公開されていないので、あくまでも絶対数においての話でしかないことに注意する必要がある。これまで10回ぐらいしかネットショッピングを利用したことがない人で5回未満でも数回ならばかなりの高率だが、1000回以上利用している人ならばわずかでしかないことになる。若年層の「何度もある(5回以上)」の回答率の高さは、多分に利用回数の多さによるものとの解釈もできよう。
とはいえ、60代でも3割近くは5回以上、半数近くは5回未満ながらも、レビューに影響されて商品を購入したと回答している。レビューが購入を後押しする力は多分にあると見て間違いない。
余談になるが今調査ではレビューを書き込んだ経験があるか否かに関しても尋ねている。
↑ インターネットショッピングサービスの利用者におけるレビューを書き込む経験(2016年3月、ネットショッピングサイト利用者)
不思議なこと(?!)に高齢者の方が書き込み経験者率は多い。これについて白書では
と解説している。納得のいく仮説ではあり、同時にスマートフォンからのレビューの書きやすさを提供できれば、若年層によるレビューが盛り上がることを期待できる話には違いない。
■関連記事:
【若年層のニュース情報源はテレビにニュースサイト、そしてSNS】
【北米女性は「良い経験」を他人に教えたくなる…商品情報の検索と共有傾向】
【商品のレビュー、「悪い評価」が気になる人は7割! 多くの人が購入意思にぐらつきも】
【買い物時に「ネット上の」口コミを気にする人、約6割】
スポンサードリンク