初詣は9割近く、しょうぶ湯は3割足らず…小学生の子供を持つ世帯の年中行事の実施率(最新)
2018/11/03 05:18
毎年年末にはクリスマスや大晦日に向けた大掃除、年越しそばを食べ、正月になると初詣に出かけお節料理をいただき、春にはお花見、夏にはお墓まいり…昔から行われてきた節目節目における慣習的な行事は多々あり、世間もそれらにあわせて色々な動きを示していく。一方で社会観の多様化に伴い、あるいは環境の変化により、これまで行われてきたその類の行事が省略されてしまうことも少なくない。今回は国立青少年教育振興機構が2018年8月22日に発表した「青少年の体験活動等に関する実態調査」報告書の結果をもとに、小学生の子供を持つ保護者世帯限定ではあるものの、これら年中行事の利用実態を確認していくことにする(【「青少年の体験活動等に関する実態調査」(平成28年度調査)報告書】)。
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今調査の調査要項については先行記事【果物の皮を包丁でむいたり、ぞうきんを絞ったり…いまどきの子供事情を探る】を参考のこと。
次に示すのは小学1年生から小学6年生までの子供を持つ保護者に対し、家庭でしたことがある行事について答えてもらったもの。設問は「あなたは、ご家庭で次のような行事をしたことがありますか」であり、回答者=大人=保護者が子供の時の経験則では無く、世帯を持ち子供を育てるようになってからの世帯における経験と読み解いてよい。つまり現在小学生の子供がいる世帯における、年中行事の実施率と読むことができる。世間全体を対象としているのではないためある程度制限された条件下での動向となるが、逆に子供の情操教育の観点では、参考になる値には違いない。
↑ 家庭で次のような行事をしたことがあるか(複数回答、小学校1年生-小学6年生の子供がいる世帯)(2016年度)
回答時の誤差もあることからおおよそ9割前後の値が出ていれば、実質的にほぼすべての世帯で該当行事が行われていると見てよいだろう。その条件に合致するのは、左から(大体時系列の並び)初詣、節分の豆まき、お墓参り、年末大掃除、クリスマス、年越しそば、お雑煮・お節となる。
実行率が5割超だが全体とまでは行かないのが、お雛様飾り、お花見、七夕飾り。もっともお雛様飾りは該当世帯の子供が女子でないと行う必要は無いため、この回答率も仕方がない。
そして5割足らずの行事は正月の餅つき、鯉のぼり、しょうぶ湯、お月見となる。しょうぶ湯以外は場所や道具の確保が難しい場合もあり、仕方がない面もある。しょうぶ湯は該当時期になると商店でも専用の商品が売りに出されることも多々あるため、習慣そのものが薄れているのかもしれない。
行事の実施率はおおよそ子供の現在学年による差異は無いものの、一部では違いが確認できる。
↑ 家庭で次のような行事をした事があるか(複数回答、小学校1年生-小学6年生の子供がいる世帯、一部、子供の学年別)(2016年度)
減少度合いに差異はあるものの、おおよそ子供が幼いほど実施率は高い。今件は経験したか否かを尋ねているため、実施度合が昔も今も変わらなければ、むしろ逆の動きをしていなければならないのだが、現実にはこのような形となっている。
昔と比べ、これらの行事は実施率が上昇しているのかもしれない。あるいは「回答者が昔の行為を忘れ、あるいは回答に該当しないと判断し、ここ数年の経験に限り回答」かつ「子供の年齢が上がるに連れてこれらの行事をしなくなる」傾向の結果の可能性がある。どちらも正しそうな話ではあるだけに、判断が難しいところではある。
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