小中高校生のパソコンやタブレット型端末の所有実態(最新)
2018/11/02 05:24
最近ではスマートフォンに主役の座を奪われつつあるが、今でもなおパソコンがインターネットを介した多様なサービスの利用のための主要な、そして利便性の高い窓口であり、色々なデジタル系ツールを用いることができる基幹ツールであることに変わりはない。子供達はどれほどまでにパソコン、そしてスマートフォンとパソコンの中間的な立場にあるとも表現できるタブレット型端末を所有しているのだろうか。今回は国立青少年教育振興機構が2018年8月22日に発表した「青少年の体験活動等に関する実態調査」報告書の結果をもとに、小中高校生におけるパソコン(デスクトップ、ノートを問わず)やタブレット型端末の所有実態を確認していくことにする(【「青少年の体験活動等に関する実態調査」(平成28年度調査)報告書】)。
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中学生は1割強、高校生は2割足らずがパソコン持ち
今調査の調査要項については先行記事【果物の皮を包丁でむいたり、ぞうきんを絞ったり…いまどきの子供事情を探る】を参考のこと。
次に示すのは自分用(自分一人が使うもの。家族との共用、保護者所有で子供が利用させてもらうこともあるケースは除外する)として、パソコンを持っているか否かを尋ねた結果。高校2年生の時点では16.2%の人が自分のパソコンを有している。
↑ 自分用としてパソコンを持っているか(2016年度)
小学生は学年が上がるに連れて値も積み増しされるが、それでも数%。小学6年生でようやく2.6%。しかし中学2年生になると急に所有率は上昇し、10.1%となる。そして高校2年生では16.2%。見方を変えると、高校2年生ですら8割以上は自分のパソコンを持っていないことになる。
これを男女別に見たのが次のグラフ。
↑ 自分用としてパソコンを持っているか(男女別)(2016年度)
元々値が少数であるため小学1年生と小学4年生でイレギュラーが生じているが、おおよそ男子の方が所有率は高い。小学6年で差異は大きくなり、中学2年生では5%ポイント近い差が生じる。従来型携帯電話・スマートフォンは女子の方が概して所有率が高いことから、保護者も子供自身も、パソコンなどより従来型携帯電話・スマートフォンの方を好むようだ。
高校2年生では男子で19.7%の人がパソコンを持っている。使いこなせているか否かはまた別だが、男子でも8割強はパソコンを所有していないことになる。
中学2年生がピーク・意外に高いタブレット型端末所有率
続いてタブレット型端末。設問では単に「タブレット端末(iPadなど)」とのみ説明されており、回答者がタブレット型端末と認識したものすべてが該当する。子供向けの教育用タブレット型端末、さらにはキンドルなども一部回答には含まれている可能性はある(ウェブブラウジングが可能なものは多分に回答に含まれているだろう)。
↑ 自分用としてタブレット型端末を持っているか(2016年度)
小学1年生の時点ですでに1割近い所有率。学年が上がるに連れて値も上昇し、小学6年生では2割近くとなる。パソコンよりも高い所有率で、スマートフォンや従来型携帯電話をのぞけば、小学生界隈ではパソコンではなくタブレット型端末こそが、デジタル機器、インターネットの窓口として主流であることが分かる。
ピークは中学2年生。実に3割近くが所有している。高校2年生になると値は急激に落ちて小学5年生レベルにまで落ち込むが、これは多分にスマートフォンに利用がシフトしているのが原因。
男女別に見た結果が次のグラフ。
↑ 自分用としてタブレット型端末を持っているか(男女別)(2016年度)
一部で同率、さらには女子が男子を上回る属性があるが、おおよそ男子の方が高い所有率となっている。パソコンのように多様な機能を使えることから、デジタル系への好奇心の強弱が影響しているのかもしれない。
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