暇さえあればいじってる、食事中でも気になる…子供達のスマホ熱中度合(最新)
2018/11/01 04:50
携帯電話、特にスマートフォンはリアルタイムによるやり取りの頻度が高いサービスが多く、また高性能で多様な機能が実装され利用できることもあり、熱中度もこれまでの道具、玩具と比べれば桁違いのものとなる。現在子供を持つ、あるいはいた大人の人達は、自分の子供達がスマートフォンなどに夢中になっている様子を見て、もし自分の子供時代にスマートフォンがあったら同じように熱中していただろう、そして生活様式も随分と変わっていたと考えているに違いない。今回は国立青少年教育振興機構が2018年8月22日に発表した「青少年の体験活動等に関する実態調査」報告書の結果をもとに、小中高校生における携帯電話(従来型携帯電話とスマートフォンの双方。ただし今件報告書では「携帯電話」=従来型携帯電話として表記されている)に関する、熱中・没頭度合を確認できるいくつかの行動の実情について見ていくことにする(【「青少年の体験活動等に関する実態調査」(平成28年度調査)報告書】)。
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高2は過半数が「暇な時にはスマホを操作している」
今調査の調査要項については先行記事【果物の皮を包丁でむいたり、ぞうきんを絞ったり…いまどきの子供事情を探る】を参考のこと。
次に示すのは回答者学年別の、手持無沙汰の時には携帯電話を操作しているか否か、その度合いを答えてもらったもの。該当学年の人全員に答えてもらっているため、携帯電話を所有していない人は当然「まったく無い」の回答になる。
↑ 特にすることが無い時、とりあえず携帯電話を操作している(2016年度)
それなり以上に経験を認識している、回答率の着色では赤系統色の属性は、小学4年は2割少々。多分に携帯電話の所有率とも連動している。そして学年が上がるに連れて所有率が上がり、利用・傾注度も上昇するため、「まったく無い」の割合の減少と同時に、「よくある」の回答率も上昇していく。
例えば小学4年の時点では「よくある」「時々ある」「ほとんど無い」合わせた回答率、おおよそ所有者であると想定できる割合は40.8%で、そのうち「よくある」は8.6%、想定所有者の2割強。ところが高校2年生では想定所有者は96.1%でそのうち「よくある」は54.8%となり、想定所有者に占める比率は57.0%にまで上昇する。利用制限や子供自身の慣れ、知識の増加などさまざまな要因によって、利用者の中でも傾注度が増し、「暇な時にはまず携帯電話」状態となる人の割合が増加している。極度な利用状況となれば、携帯電話中毒とすら呼ばれるかもしれない。
男女別に区切った結果が次のグラフ。
↑ 特にすることが無い時、とりあえず携帯電話を操作している(男女別)(2016年度)
小学5年生までは男女であまり差は出ていない。しかし小学6年生あたりから女子の方が「よくある」、そして「時々ある」まで含めた「暇な時にはまず携帯電話」への行動の認識が多分にある人の割合が増加していく。高校2年生になると「よくある」の回答率は男子が49.9%なのに対し、女子は59.5%にまで達している。先行する各記事で、女子は男子と比べてソーシャルメディアの利用率が高いことから、「何か新しい情報は無いか、やりとりが行われていないか」と気になる人も多いのだろう。
「食事中でも携帯電話が気になる」高校生は3割強
何もすることが無い時では無く、食事や団らんの際においても、スマートフォンなどの携帯電話の操作をしたくなる、ゲームやソーシャルメディアの動向が気になる人はどれぐらいいるだろうか。
↑ 食事中やだんらん中でも携帯電話が気になる(2016年度)
何もすることが無い時の操作動向と比べれば随分と低い値ではあるが、やはり年齢が上になるに連れて「よくある」、さらには「時々ある」まで含めた肯定的回答者の比率は高くなる。所有率も影響要素ではあるが、注力度の上昇も一因には違いない。高校2年生では実に約3割もの人が、食事や団らん中でもスマートフォン上でのサービスの動向が気になり、できれば操作してチェックをしたいと考え、実行していることになる。
男女別に見ると、男女の差異はあまり見られない。
↑ 食事中やだんらん中でも携帯電話が気になる(男女別)(2016年度)
食事中やだんらん中ですら携帯電話を確認したいとの衝動に負けてしまう度合いに関しては、男女の差異はあまり無さそうだ。
例えば食事の時の携帯電話操作に関して、行儀が悪い、操作をする必要があるため食事を中断することになるので非とするか、それともテレビ観賞と同じようなものだから是とするかは、それぞれの世帯の教育方針次第であり、一概に善悪を問うことはできない。それこそ「テレビを観ながらの食事は是か非か」と類する問題でもある。
今件は現状として、小中高校生が携帯電話、多分にスマートフォンにどこまで熱中しているか、他の生活行動の中にスマートフォンの影響が及んでいるのか、それを知る一つの資料として見ればよいだろう。
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