相手の国の好き嫌い、諸外国の他国への好感度(最新)

2025/06/10 02:30

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2025-0519先行記事【欧米は好感、印露はそこそこ、そして…日本に好感を持てるか否か(最新)】において、新聞通信調査会が2025年2月15日に発表した、アメリカ合衆国やイギリス、フランス、中国、韓国、タイへのメディアに関する世論調査「諸外国における対日メディア世論調査」の内容を基に、諸外国における日本への好感度の実情を確認した。実は今調査項目では調査対象国における日本への好感度だけでなく、他の調査国に対する好感度も問われており、その値が公開されている。今回はその動向を見ていくことにする。各国の一般市民における他国への認識をうかがい知ることができよう(【発表リリース:諸外国における対日メディア世論調査】)。

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今調査における調査要項は先行記事【諸外国における新聞の信頼度、そして今後も役割を維持できるか否か】を参照のこと。そして先行記事「欧米は好感、印露はそこそこ、そして…日本に好感を持てるか否か(最新)」の通り、2024年度の調査結果においては、日本は欧米諸国からは8割台、タイからは9割台、韓国からは4割台の好感度を得ている。

↑ 日本に好感を持てるか(とても+ややの合計)(再録)
↑ 日本に好感を持てるか(とても+ややの合計)(再録)

次に示すのは、その対日本も含めた調査対象の各国における、自国以外の国への好感度の指標。好感が持てる(強弱)、好感を持てない(強弱)、加えて実質的にもう一つの選択肢である無回答(あるいは分からない)も合わせ5択のうち、強弱を合わせた好感が持てる派の回答率を合計した値となっている。

日本は調査実施国ではないので掲載されていない。また自国を対象とした回答は、自国愛があるか否かと解釈すればよいだろう。

なお中国は毎年調査実施対象国ではあったが、2023年度以降は除外されている。2023年度分について「今年度は中国での調査ができなくなりました。中国の他の調査機関にも依頼しましたが、いずれも現在の国内状況では、国外から依頼された世論調査を行うことは難しいとの回答でした」との説明があった。ただし中国は、好感のある無しの対象国としては存在している(中国自身が調査に参加していなくても、好感が持てるか否かの対象にはなり得る)。

↑ 対象国に好感が持てる人の割合(2024年度)
↑ 対象国に好感が持てる人の割合(2024年度)

各国の市民感情としての他国への敬愛度、好感度が如実に現れているのが興味深い。アメリカ合衆国は日本以外では英仏への値が高く、タイへも7割台と高めの値。韓国へは半数強、中国へはわずか2割台、さらにロシアへは1割台。イギリスやフランスも似たようなものだが、対中国・対ロシアの値がいくぶん高め。フランスは韓国への値も高い。

タイはおおよそどの国へも好感度が高いが、対韓国・対中国は6割台にとどまり、対ロシアでは4割足らず。韓国では日本に対する値が一段と低いが、中国、さらにはロシアへの値はそれより低い。

ロシアは自国愛がひときわ高く、インド、ブラジルへの高さが続く。日本へも7割近くと高め。インドも自国愛が高く、またブラジルへの値も高いのが印象的。

対ロシアの値を見ると、多くの国で低いものとなっているが、それでもインドでは5割強・タイでは4割近くの値なのが印象的。

これらの値はあくまでも一般市民の思惑であり、各国の政府や行政などの姿勢とは別物。とはいえ民主主義国家では多分に市民感情なるものが国策に影響を与えうることを考えると、無視できない結果には違いない。

余談ではあるが、以前の報告書で特記事項的に記されていた、中韓の好感度合いの推移を確認したのが次のグラフ。2023年度分以降は中国の値(中国→韓国)は空欄となっている。

↑ 中韓の互いの国への好感度
↑ 中韓の互いの国への好感度

中国→韓国はかなり波があり、ここ数年で持ち直しの気配もあったが、韓国→中国はほぼ漸減傾向にあり、2015年度から2022年度の間に好感度が半減以下となってしまっている。2023年度以降でいくぶん持ち直したように見える程度。両国の間に何があったのかはさておき、特に韓国サイドからの好感度の減少が生じていたのは興味深い傾向に違いない。


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