冷蔵庫、炊飯器、そして洗濯機…一人暮らしの新生活、何を新たに買ったのか
2016/02/26 05:13
転勤や進学、親離れをしたくてなど、理由は多種多様だが、多くの人は親元を離れて一人暮らしを始めるようになる。その際にこれまで使っていた身近な生活用品を持ち出すことはあれど、これまで家族共用だったものを新たに調達し、自分用として揃える必要が出てくる。電気店などで「一人暮らしスタートセット」的な組合せ商品を見た人も多いはずだ。今回はインターワイヤードが運営するネットリサーチのDIMSDRIVEが2016年2月9日に発表した一人暮らしに関する調査結果から、一人暮らしのために新たに調達したものの実情を確認していく(【発表リリース:「一人暮らし」に関するアンケート 2016】)。
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今調査に係わる調査要件は先行記事の【引越しありの一人暮らし経験者は5割強、かかった費用は業者有り無しで大きな差が】を参照のこと。
その先行記事で詳しく解説しているが、今調査対象母集団では5割強の人が、引越しを伴う一人暮らしの経験を有している。家族の他の人が海外旅行や長期出張などで他の場所に移動し、自分だけが残されるタイプ(つまり新たに生活用品を買いそろえる必要は無い)の一人暮らしは含まれていない。
↑ 引越しを伴う一人暮らしの経験(2016年)(再録)
それではそれらの人達は、一人暮らしをする際にどのような品々を新たに購入しただろうか。このリストは見方を変えると、一人暮らしをする時にはどのような生活用品などが必要か、その実態を必要度の高い順に並べたものと見ることができる。
↑ 一人暮らしのために新たに購入したもの(2016年、複数回答、一人暮らしのために引越しをした経験のある人限定)
トップは冷蔵庫で57.9%。常に買い切りで食品を調達するならまだしも、日々の食生活には欠かせない存在に違いない。特に夏場は冷えた飲料や氷を調達するのには不可欠な存在となる。またこれまで住んでいた実家などから持ち運びができない(元々世帯共有のものだから)ことも、新たに購入しなければならない理由となる。
似たような理由で炊飯器、洗濯機、テレビが続く。二人以上家族で一人一人別途に炊飯器や洗濯機、テレビを持つ状況は考えにくく、これまでは共有していたものが、一人暮らしを始める際に別途必要になり購入した次第。電子レンジも同様。
カーテン、照明器具、カラーボックスは日常で使用するというよりは、住まいを自分好みにカスタマイズ、初期化する際に不可欠なもの。一度用意すればそれらを使っているとの認識は無く、住まいと一体化しているような状況となる。逆にカーテンや照明器具も無いままでは、短期間の居住ならともかく、日々の暮らしはしづらいに違いない。
他方、自転車、パソコンなどはこれまで住んでいた家から持ち運びができる、元々個人で使っていたものを継続利用できることもあり、「新たに」購入するケースは少ない。もっとも引越しするので、心機一転買い替える・新たに調達するケースもあるだろう。ペット(モノ扱いするのは賛否両論だが)、車、目覚まし時計、ロボット掃除機なども同様の事例。さらにエアコンは新居ではじめから設置してあるケースが増えているからなのか、新たに調達するとの回答率は低い。
これを男女別に仕切り分けした結果が次のグラフ。
↑ 一人暮らしのために新たに購入したもの(2016年、複数回答、一人暮らしのために引越しをした経験のある人限定)(男女別)
概して男性より女性の方が回答率は高く、女性は男性と比べて一人暮らしを始める際に、多様な準備をする傾向があることが分かる。各物品の順位に大きな違いは無いが、生活に密着した、日々の生活で欠かせない、使用頻度の高い、そして趣味趣向度の低い品物の回答率がやや大きめになる傾向があるようだ。上位陣の冷蔵庫、炊飯器、洗濯機、電子レンジに掃除機、さらにはカーテンや衣装ケース、ベッドなどが好例である。
一人暮らしを始める人の属性別回答率が一般公開されていないので推測でしかないが、男性の回答率が低く、特に日用品の値が女性と比べて低めに出ているのは、単身赴任などによる一人暮らしのケースが多々あり、日用生活品の調達は控えめにしているのも一因かもしれない。
なお報告書では特記事項として言及されている固定電話(≒固定電話回線)だが、全体では回答値は21.2%。世帯共有回線をそのまま持ち出しするわけにはいかず、新規の契約となる。具体的な回答値が非公開なので報告書の文面やグラフから確認するしかないが、
との説明がある。指摘の通り、世帯主=本人となる一人暮らしでは、自分以外が電話に出る必要は無く、携帯電話があれば固定電話を保有する理由は無い。
また余談ではあるが、これら「一人暮らしのために新たに調達したもの」の多くは、切り口を変えると「家族で共有化できるもの」であり、二人以上世帯では節約できるものに他ならない。単身世帯と比べて二人以上世帯が生活費の上で割安になるのが改めて認識できる結果にも違いない。
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