一人暮らしの住まいは何を重視するか、やはりトップは家賃
2016/02/25 05:03


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今調査に係わる調査要件は先行記事の【引越しありの一人暮らし経験者は5割強、かかった費用は業者有り無しで大きな差が】を参照のこと。
その先行記事の通り、今調査対象母集団では5割強の人が、引越しを伴う一人暮らしの経験を有している。

↑ 引越しを伴う一人暮らしの経験(2016年)(再録)
それではその人たちは、新居を選択する際に、どのような点を重視しただろうか。住居選択の要件となりそうな選択肢を挙げ、最大で第10位まで順位立てて選んでもらい、順位はともかく選ばれた項目を算出した結果が次のグラフ。最上位には敷金や礼金も合わせた家賃がついた。

↑ 一人暮らしの引越し先の新居を選ぶ際に何を重視して決めたか(2016年、最大10位までの複数回答、一人暮らしのために引越しをした経験のある人限定)
例えば冒頭で挙げた大学進学に伴う一人暮らしの場合は、その大学に近いことが最優先条件となるが、同時に金銭的なやりくりを考慮するとできる限り家賃は抑えた場所にしたい。第2位の「学校・会社からの距離」よりも高い値を示しているのは、一人暮らしの理由が「独り立ちしたい」をはじめとする、学校や会社事情によるものとは限らないのが原因。
駅からの距離を挙げる人も多い。通勤・通学の際に徒歩で行き来できる場所にあれば話は別だが、そうでない場合には定期的に行き来する交通手段としてもっともよく使われる鉄道の便が、良い方が都合は良い。
住まいの内部スペックの最上位は「間取り」。いくら部屋が広くても(順位は次点)、使いづらい間取りでは日々の生活も息苦しいものとなる。また「日当たり」「風呂・トイレ別」なども上位入りしており、賃貸住宅情報誌やサイトで良く見かける条件が並んでいる。
興味深いのは「近所にスーパーやコンビニがあること」が1/4超えと高い値を見せていること。複数の別調査結果で日常生活を支える商業施設としてスーパーやコンビニが挙げられており、それらが近くにあることが、住まいを魅力あるものとする条件として認識されていることになる。
これを回答者の性別に仕切り分けした結果が次のグラフ。


↑ 一人暮らしの引越し先の新居を選ぶ際に何を重視して決めたか(2016年、最大10位までの複数回答、一人暮らしのために引越しをした経験のある人限定)(男女別)
まず全体として男性よりも女性の方が高い回答率を示している項目が多い。最大で第10位まで順位立てて選んだ結果なので、最大で全回答率を足すと1000%になるはずだが、男性が508%なのに対し女性は602%となっている。つまり男性は平均5つ、女性は6つ、重視する項目を選んだことになる。それだけ女性の方が一人暮らしの新居へのこだわりが強いということだ。
特に大きな差が出ているのは金銭面以外では「治安の良さ」「2階以上などの階数」が目に留まる。女性の一人暮らしは男性以上に防犯面で本人や関係者が気にすることから、これらの条件を重視するのは当然の動きではある。逆に「駐車場有」や「社宅・学生寮」で男性が高い値を示すのは、それぞれ自動車を自前で所有している人が多い、会社事情などで一人暮らしをする人が多いから。
とはいえそれらの要素も順位を大きく変化させるほどのものではなく、男女ともに最上位には家賃、そして学校・会社からの距離がつく。その後に駅からの距離と間取り、部屋の広さがほぼ同率で並ぶ。極論としてはこの5項目を充足させることができれば、大よそ新居としては満足できるとも考えられよう。
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