親子の会話、その中身は何だろうか

2016/02/08 10:43

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先行記事【小中学生の子供を持つ保護者、子供との会話時間はどれぐらい?】において、英会話のGabaが2016年1月20日に発表した子供の受験と英語教育に関する調査結果をもとに、小中学生の子供とその親との間における平均的な会話時間を見定めた。平均では一日78分が費やされているとの結果が出ている。それではその会話の中では、どのような内容が語られているのだろうか。今回はそれを見ていくことにする(【発表リリース:「子どもの受験と英語教育に関する調査」】)。



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今調査の調査要項は先行記事の【小中学生の習い事、算数・数学がトップで2割強】を参照のこと。

先行記事「小中学生の子供を持つ保護者、子供との会話時間はどれぐらい?」にある通り小中学生の子供を持つ保護者から成る調査対象母集団においては、平均で1日あたり78分が親子の会話に費やされている。

↑ 子供との平均会話時間(一日当たり)(再録)
↑ 子供との平均会話時間(一日当たり)(再録)

それではこの会話の中で交わされているのは、具体的にはどのような内容なのだろか。複数回答で答えてもらった結果が次のグラフ。文化芸術系の習い事に通う子供が多い小学生と、部活動をはじめたり学習塾に通う機会が増える中学生が合わさった結果であることに注意。

↑ 子供との会話でどのようなことが話題になるか(複数回答、上位)
↑ 子供との会話でどのようなことが話題になるか(複数回答、上位)

最上位は「学校での出来事」で8割強。小中学生の子供は一日の大半を学校で過ごすことから、その間に生じたあれこれを保護者に伝えたくなるのも当然の話。他人との会話や表現の訓練、経験を得るのにも良い機会となる。また保護者側から求められることも多々あるだろう。次いで多い「友達」も、「学校での出来事」と事情はほぼ同じ。

接する時間こそ学校と比べれば短いものの、子供にとっては大きな娯楽要素となる「テレビ番組」に関する話題も多い。友達同士でも語られているであろうし、あるいは食事中の会話の際に、テレビを見ながらの場合は、その内容について突っ込みを入れたり話のきっかけにするかもしれない。「マンガ・アニメ」も似たようなパターンといえる。

保護者側としては大いに気になる「勉強・成績」に係わる話題を挙げる人も多い。「習い事」もそれに近しい。時間もそれなりに費やしているし、学業の進捗を尋ねたくなるのは親心というもの。

「スマホゲーム」「動画サイト」といったデジタル系のテーマも話題に登っている。子供が一方的に語るケースもあるが、会話として成立するためには少なからずとも保護者側も知識を得ている必要がある(会話はキャッチボールであり、ボールを受けているばかりでは成立しない)。見方を変えると親子世帯の1割強から2割近くでは、親子でこれらが共通のエンタメネタとして認識されていることになる。

これを一日の平均会話時間別に仕切り分けしたのが次のグラフ。1時間未満と以上で分けており、上記の通り平均時間は78分であることから、会話が短い世帯とそうでない世帯と読むことができる。

↑ 子供との会話でどのようなことが話題になるか(複数回答、上位)(子供との一日の平均会話時間別)
↑ 子供との会話でどのようなことが話題になるか(複数回答、上位)(子供との一日の平均会話時間別)

時間が長くなれば当然話す内容も増えるため、ほとんどの項目で長時間の世帯の方が回答率が高い。唯一「部活動」が短時間世帯の方が高値を示しているが、これは「子供が部活動に参加する」「帰宅時間が遅くなり保護者との会話時間が減る」「会話時間は短くなるが、その部活での話がネタとなる」との図式と見て良いだろう。親子の会話時間が長めにとれる世帯では、子供が部活動に通っていない、つまり部活動の話が不可能な場合が多いということだ。

また時間の長短別に見ると、「芸能ネタ」や「社会の出来事」「動画サイト」「旅行・レジャー」で、回答率の差が大きく出ている。「マンガ・アニメ」も差異が大きい。報告書では「娯楽や趣味関連の話題が多い傾向がある」と分析しているが、確かにエンタメ色の強いネタが多数含まれている。時間が短い場合は必要度の高い話が優先され、余裕が出て来たらエンタメ系にも話がシフトしていく流れなのだろう。


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