なぜブロードバンド環境下でパソコンによるネットアクセスをしないのか、米国におけるその理由
2016/01/28 05:11


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今調査の調査要項は先行記事「米国でもゆるやかに進むパソコン離れとスマホ依存」を参照のこと。それらの記事にもある通り、今調査対象母集団では2/3が自宅にブロードバンド環境を有してパソコンでインターネットにアクセスが可能。逆に考えれば1/3は自宅にパソコンが無いか、存在はするがナローバンド環境しかない状態。そしてインターネットで提供されるさまざまなサービスや便益を受けるためには、スマートフォンでは無くパソコンによるブロードバンド環境でのアクセスが望ましいと、多くの人が考えている。

↑ 自宅にブロードバンドサービスがある人(米国、2015年)(再録)

↑ 自宅にブロードバンド環境が無いと不便を感じるか(米国、各状況下で)(強く感じる人)(再録)
それではなぜ、調査対象母集団の1/3にあたる33%の人は、自宅にブロードバンド環境とパソコンによるインターネットアクセスができない状態なのか。複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。該当者全体と、さらにその中からスマートフォンを所有している人、つまり「自前のインターネット環境はスマホのみ」の人に限った結果を併記した。

↑ なぜ自宅にブロードバンド環境を有していないのか(米国、2015年、複数回答)
全体では利用コストが高すぎるとの意見が最大で59%。次いで自宅外(例えば学校や会社)でアクセスできる環境があるので自宅では必要性を覚えない人が46%。そしてパソコン本体が高すぎるとの人が45%。以下、スマートフォンでしたいことはすべてできるから、居住地域でインフラの整備が進んでいないからなどが続いている。
ところがスマートフォンを所有している人に限定すると、トップは「スマホでしたいことはすべてできるから」が最大となり、次いで自宅外の環境がある・月額費用が高すぎるか続く。「自前のインターネット環境はスマホのみ」の人は多分に、スマホで事足りるのでパソコンの必要性はあまり感じていないようだ。
この理由について複数回答では無く、もっともウェイトの高い理由を択一で答えてもらうと、月額利用コストが高いからとの意見が最大の1/3を占める。

↑ なぜ自宅にブロードバンド環境を有していないのか、一番の理由(米国、2015年)
これはスマートフォン所有者でも変わらない。お金の問題は自宅へのブロードバンド環境整備において一番のハードルとなる。次いで多いのは(「他の理由」を除けば)スマートフォンでインターネットに必要な事柄がすべて出来てしまうから、そしてパソコンが高すぎる・自宅外で利用できるなどが続く。スマートフォン所有者もトップはランニングコストだが、4%ポイントの僅差で「スマホでしたいことが全部できる」が続いている。
「パソコンでのみできること、スマートフォンよりもパソコンの方が快適にできること」を知らないのか、知ってはいるがメリット・デメリットを勘案して多少不便でもスマートフォンで不可能では無い・代替できるので我慢しているのか、そこまでは今件調査からは確認できない。とはいえ、自宅にパソコンによるブロードバンド環境が無い人の多分は、お金が最大の問題であること、スマートフォンを持っている人はそれなりに代替をしている人がいることが把握できよう。
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