ネット上の情報元、「キレイ」と「シンプル」どちらを選ぶ?

2016/01/15 10:56

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アドビは2015年12月18日、消費者のコンテンツに関する意識調査「The State of Content : Rules of Engagement」の結果を発表した。それによるとアメリカ合衆国、イギリス、フランス、ドイツ、日本、オーストラリアから成る調査対象母集団においては、短時間でネット上の情報確認をする場合、シンプルなデザインよりも綺麗なデザイン情報元を選択する傾向が強いことが分かった。また情報取得の際には、自分が使っている端末で綺麗に表示されることや、自分の興味関心を強く引く内容であることを望む傾向が見受けられる。ただし日本はそれらの条件に関して、他国と比べて必要性を強く感じていないことも確認されている(【アドビ、消費者のコンテンツに関する意識調査の結果を発表】)。



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今調査は2015年9月12日から9月29日にかけてアメリカ合衆国、イギリス、フランス、ドイツ、日本、オーストラリアにおいてインターネット経由で18歳以上に対して行われたもので、有効回答数はそれぞれの国で約2000件ずつ(2種類の調査が同時に行われ、それぞれ約1000人ずつ)。少なくとも1つ以上のデジタル系端末所有者が対象。

次に示すのは、インターネット上のコンテンツの精査に15分しか割けない、つまり短時間しか使えない場合、情報元にはどのようなデザインのサイトなどを選ぶかについて、「キレイ」「シンプル」の二者択一で選んでもらった結果。全体平均では59%の人が、シンプルさよりもキレイさを選んでいる。

↑ ネット上の情報確認に1日15分しか割けないとしたら「キレイなデザイン」「シンプルなデザイン」どちらの情報元を選ぶか(「キレイ」選択者、2015年9月)
↑ ネット上の情報確認に1日15分しか割けないとしたら「キレイなデザイン」「シンプルなデザイン」どちらの情報元を選ぶか(「キレイ」選択者、2015年9月)

大よそ6対4と微妙な割合だが、大よそ短時間での情報収支においては、シンプルさよりもデザインの良さ、キレイさを読者は重要視していると見ることができる。世間一般に伝えられる情報量の拡大と取得端末種類の増加で、じっくりと情報を見極める機会が減り、いわゆる「つまみ食い」的な情報取得スタイルが中心となる昨今では、この傾向は大いに注目されるべき。

ただし日本においては他国とは少々事情が異なり、むしろシンプルなデザインを求める傾向が強いように見える。2%ポイントの違い(100%−49%=51%だから、「シンプルなデザイン重視」選択者は51%と想定される)は誤差程度でしかないが、他国とは10%ポイント前後の差異が出ており、注意すべき動きといえる。

時間制限は特にないが、私的・仕事上を問わずインターネット上の情報を取得する際に、次の条件はどの程度重要と考えているか、5つの要素について尋ねた結果が次のグラフ。全体平均で一番重要視されたのは「自分が使っている端末できれいに表示される」(この場合の「キレイ」はぎこちなさや乱れが無く、スマートな表示が成されることを意味する)で65%に達していた。

↑ プライベート・仕事を問わず、ネット上の情報を取得する際に次の条件はどれぐらい大切か(2015年9月)
↑ プライベート・仕事を問わず、ネット上の情報を取得する際に次の条件はどれぐらい大切か(2015年9月)

次に多いのは「ハートをつかむ」。やや意訳に過ぎた感はあるが、要は読み手(回答対象者)の注意を引き付けるものであるか否か。内容そのものでは無くデザインや環境上の問題であることから、例えばキャッチコピーが大きく表示される、写真がファーストビューに掲載されるなど、いわゆるキャッチー的なものを意味するのだろう。似たような回答としては「写真やレイアウトなどデザインが良い」が続いており、上記の「キレイなデザイン」を好む傾向と合致している。

一部ポータルサイトで採用されているカスタマイズ機能を好む声も多い。複数端末での利用が可能であることを望む人は45%。今調査では多数の端末を利用する人が多いことが事前に解説されており(大よそ5つ前後、利用サービスは10個前後、同時には平均で2.23個の端末を同時に利用する)、状況に合わせて利用することを考え、例えばパソコンとスマートフォンいずれの環境下でも閲覧することを望む人が相応にいることが分かる。

他方日本は他国と少々傾向が異なる様子も確認できる。挙げられた各条件への反応はいずれも鈍く、きれいな表示ですら5割でしかない。他の項目で確認しても、日本は他国と比較してコンテンツ取得へのこだわりの度合いが小さく、多数のコンテンツを詰め込む形で取得したい傾向が強い。あるいはアジア的価値観による可能性もあるが、今調査では日本以外にアジア諸国の調査国が無いので、推測の領域でしかない。

原因は今調査からは特定できないにしても、そのような傾向があること、そして見方を変えれば日本でも例えば半数は利用端末できれいに表示されることを重要視し、1/3以上が複数端末で閲覧できることを望んでいる事実は、知っておいて損はあるまい。


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