子供と一緒に作りたい料理、一番人気はカレー
2015/12/01 05:47
保護者の家事負担の軽減だけでなく、子供の興味関心好奇心を充足させ、情緒教育にもプラスとなり、さらに将来に向けた技術の積み上げとしても役立つ、子供のお手伝い。掃除や洗濯、兄弟姉妹の世話、ゴミ捨てなどと共にメジャーなのは料理関連。最近では電子レンジやIHも普及し、火の始末に係わるリスクも減り、レシピサイトの充実によりシンプルで分かりやすいレシピが容易に手に入るようになったことに加え、健康志向や中食・内食人気も相まって、子供に料理をつくらせる、子供と一緒に調理する機会が増えている。それでは実際に、保護者の立場から子供と共に作りたいのはどのような料理なのだろうか。今回は日本生活協同組合連合会が2015年10月6日に発表した調査結果【「小中学生のお手伝いに関する調査」】から、その実態を確認していくことにする。
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今調査の調査要項は先行記事【子供の手伝いどれぐらい? 小学生でも「毎日手伝い」は3割程度】を参考のこと。
調査対象母集団(女性)に対し、子供と一緒に作りたい料理について尋ねたところ、最上位のメニューとなったのはカレーだった。5割近い人が同意を示している。
↑ 子供と一緒に作りたいメニュー(複数回答、上位10位まで抜粋)
今調査の別項目では、料理の際に子供がお手伝いしている具体的調理様式として「食材を切る」「野菜の皮をむく」「米を炊く」「食材を混ぜる」「食材を洗う」などが上位についている。これらはいずれも比較的ハードルが低く、保護者の指導もしやすいもので、かつ料理の際には欠かせない調理方法。そしてカレーを作る際にはいずれも必要な調理方法であり、カレーが選ばれるのも納得がいく。さらにカレーは「よほど下手をしない限り美味しく作れる」「応用が効きやすい」「子供も大人も好物」などさまざまな利点、柔軟性を有する。まさに料理の王様的な存在。
続いて高い値を示したのはハンバーグで35.2%。カレーほど柔軟性は高くないものの、子供が好きなメニューに違いは無く、また失敗もし難い。難易度が低い一方で、作り上げた時の達成感も大きい。餃子はハンバーグと比べると若干難易度が高いが、それ故に「自分が料理を作っている」との充実度、さらには腕を上げた時の上昇度合いが明確化されるので、良い料理の教材ともなる。他方おにぎりは他の上位の料理と比べるとおかずでは無く主食的ポジションだが、応用の利きやすい料理なのがポイント。
たこ焼き、お好み焼き、クッキー・ビスケットなどはいずれも粉もの。主食、おかずとしてよりは、サイドメニュー・間食的要素が強いが、お菓子を作るような気分での調理対象としては、むしろ適している。自由度が高いのも選択の理由か。
これを回答者の居住地域別に見たのが次のグラフ。
↑ 子供と一緒に作りたいメニュー(複数回答、上位10位まで抜粋)(地域別)
大きな違いは内容に見えるが、九州・沖縄では他地域と比べて回答値が高い、つまり多数の料理を子供と一緒に作りたいと考えている、近畿では粉系アイテム(たこ焼き、お好み焼き)の需要が大きいなどの動きが見える。九州・沖縄の多様性は原因が不明だが、近畿の粉系アイテムの人気ぶりは、元々日常生活で食されている頻度、馴染み深さが大きな要因と考えられる。
↑ 子供と一緒に作りたいメニュー(複数回答、上位10位まで抜粋)(近畿)
全国平均の順位で近畿の回答値をグラフ化すると、カレーの絶大な人気ぶりは不動のものだが、第2位にはたこ焼きが入っている。お好み焼きの順位は変わらないのがやや意外なところ。
冒頭でも触れた通り昨今では料理の際のリスクを減らす仕組み、環境は整備されつつある。子供と一緒に料理を作る機会を設けることで、料理を覚えるのはもちろんだが、食への興味関心も高まり、好き嫌いの問題も改善することが期待できる。さらに親子間のコミュニケーションにも一役買うに違いない。
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