持家か賃貸か、自分で買ったか遺産相続か…居住住宅の実情(最新)

2024/04/02 02:28

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2024-0327購入あるいは取得する・している人にとって、住宅は個人ベースでは最大級の資産となる存在であり、日常生活の要であると同時に人生設計における大きな要素にもなりうる。メンテナンスや改築に備えた費用、場合によっては固定資産税も必要だが、賃貸住宅住まいにおける家賃の支払いと比べれば安上がりで済むことも多く、何より「自前の資産」を取得している強みがある。居住に係わる持家・賃貸状況は複数の調査結果で明らかにされているが、今回は金融広報中央委員会の「知るぽると」が2024年2月29日に詳細統計表を発表した「家計の金融行動に関する世論調査」の最新版となる2023年版をはじめとした各種公開値から、居住住宅の状況やその内情を確認していくことにする(【家計の金融行動に関する世論調査】)。

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最新値となる2023年分の年齢階層別動向


「家計の金融行動に関する世論調査」は2024年2月29日に発表された詳細統計表で、2023年調査分の各詳細属性の値まで確認することができる。そこで2023年分における、単身世帯・二人以上世帯それぞれの、世帯主(単身世帯の場合は当然当人)における、居住状況を確認する。区分は「自己購入持家」「相続・贈与持家」が持家、「親・親族に居候」が非持家で賃貸以外、「民間賃貸」「公団公営賃貸」「官舎社宅」が賃貸、「間借その他」がその他。

↑ 住居の状態(単身世帯、世帯主年齢階層別)(2023年)
↑ 住居の状態(単身世帯、世帯主年齢階層別)(2023年)

↑ 住居の状態(二人以上世帯、世帯主年齢階層別)(2023年)
↑ 住居の状態(二人以上世帯、世帯主年齢階層別)(2023年)

青系統色が持家、赤系統色が賃貸その他。単身・二人以上世帯ともに、年上になるに連れて持家率が高くなる。これは、年上になるに連れてその親も高齢化し、遺産相続などによって住宅を譲り受ける機会が増えるのが理由の一つ。そして蓄財や年収の増加などに連れて住宅を所有できる余裕ができるのがもう一つの理由。他方、二人以上世帯の方が持家率が高いのは、家族を持つことによる持家の必要性の高まり、共働きで金銭的な余裕ができやすいこと、さらに単身世帯よりも住宅を相続しやすいことが理由として挙げられる。

また単身世帯では20代において10.4%の人が官舎社宅、つまり勤め先が用意した住宅に借り住まいをしている。家賃の優遇などの措置が取られているのが主な理由だが、同年齢階層の二人以上世帯では4.7%にとどまっている。結婚した世帯では社宅住まいは、比較的難しいところがあるのかもしれない。

70代の階層で両世帯種類を比較すると、単身世帯では持家率は7割足らずにとどまっているが、二人以上世帯では8割強もの値を示している。高齢単身世帯に賃貸住宅住まいの人が多い実態は、他の調査でも指摘されているが、今件でもそれが裏付けられた形となる。健康面でのリスク問題をはじめ、多方面で気になる話に違いない。

経年による変化を探る


今調査では連続した形で値を追えるのが2007年分以降であることから、2007年分以降の動向に関して確認をしたのが次のグラフ。

↑ 持家率(単身世帯、世帯主年齢階層別)
↑ 持家率(単身世帯、世帯主年齢階層別)

↑ 持家率(二人以上世帯、世帯主年齢階層別)
↑ 持家率(二人以上世帯、世帯主年齢階層別)

実のところ、傾向だった動きは見受けられない。特に二人以上世帯ではほぼ安定した動きを示している。ここ10年ほどに限れば単身世帯の40-60代で漸減のように見える流れがある程度。少なくとも2007年以降において、各年齢階層で持家率の動向に目立った動きが無いことは確かである。


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