米国成人の3/4はパソコンを持っている・中堅層なら8割超え
2015/11/11 15:31
急速なスマートフォンの普及に伴い、若年層におけるパソコン、キーボードの利用機会が減り、就業時に操作スキルの観点で難儀する状況が懸念視されている。絵空事に過ぎないとの指摘もある一方で、実態としてスマートフォンの利用には長けているものの、パソコンやキーボードの操作に難儀する事例が多々報告されているのも事実ではある。同じようにスマートフォンが普及しているアメリカ合衆国では、果たしてパソコンの所有状況はどのような状況なのだろうか。今回はアメリカ合衆国の民間調査会社Pew Research Centerが2015年10月29日に発表した、同国内のデジタル機器に関する所有・普及状況の現状と推移を調査した結果報告書【Technology Device Ownership: 2015】から、同国のパソコンの所有率動向を確認していくことにする。
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今調査の調査要件は先行記事【スマホは67%、パソコン73%、電子書籍リーダーは2割足らず…米国デジタル機器普及状況】を参照のこと。
その先行記事で解説している通り、同国のパソコン(デスクトップ・ノート双方を含む)の普及率はここ数年に限れば7割強の横ばい状態。
↑ アメリカ合衆国のデジタル機器所有状況(18歳以上)(再録)
直近2、3年に限ればややこうべを垂れているように見えるが、これは調査時期が2012年11月の次が2015年3月と間延びしているため。大きな変化は無く推移していると見れば良い。
それでは現状において、属性別の所有率はどのような状態なのだろうか。
↑ パソコン所有率(2015年3月、アメリカ合衆国、18歳以上)
全体では73%。男女差は意外(?!)にもほとんど無く3%ポイントしかついていない。年齢階層別では若年層ほど高いものの、65歳以上でも過半数が所有している。これは多分にアメリカの場合、原則的に個人で確定申告をしなければならないため、そのソフト操作のために必要に迫られて所有している部分が多いと考えられる。
世帯収入別では3万ドル以下世帯が50%と低めだが、それを超えると8割と大きく値は伸び、5万ドル以上になると9割に届く。学歴別では高卒未満は3割に届かないが、これは多分に学歴と世帯収入が連動するからに他ならない。また、地域別では特段、傾向だった動きは見られない。
報告書ではパソコンの所有率に関して「10年来変化が無い」とし、安定的な値動きを示しているとしている。所有していても利用しなければ意味は無いのだが、少なくともアメリカではスマートフォンが普及しても、パソコンの所有率が下がる現象は生じていないと見て良いだろう。
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