スマホは67%、パソコン73%、電子書籍リーダーは2割足らず…米国デジタル機器普及状況

2015/11/05 11:31

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アメリカ合衆国の民間調査会社Pew Research Centerは2015年10月29日、同国内のデジタル機器に関する所有・普及状況の現状と推移を調査した結果報告書【Technology Device Ownership: 2015】を発表した。今報告書は同国の大人界隈における主要デジタル機器の浸透状況が把握できる、優れた資料となっている。今回はその中から、現状の全体的な普及率と、過去の類似調査結果も合わせた経年推移を確認していく。



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今調査の直近分は2015年3月17日から4月12日にかけて、アメリカ合衆国内に住む18歳以上の男女に対し、電話によるインタビュー形式で行われたものて、有効回答数は1907人。うち672人は固定電話、1235人は携帯電話(うち730人は固定電話無し)。国勢調査の結果に基づきウェイトバックが行われている。

次に示すのは直近値となる2015年3月における、アメリカ合衆国の大人におけるデジタル機器の所有状況。設問には「持っているか」とあるので、他人から借りている場合は該当しない。

↑ アメリカ合衆国のデジタル機器所有状況(18歳以上、2015年3月)
↑ アメリカ合衆国のデジタル機器所有状況(18歳以上、2015年3月)

従来型・スマートフォン双方を合わせた携帯電話所有率は92%。高齢者などまで含めるので、実質的にはほぼ全員と見てもよいだろう。そのうちスマートフォン所有者は67%。複数台所有の事例があるにしても、実質的には携帯電話所有者の2/3以上がスマートフォン所有者との計算になる。

パソコン(デスクトップ、ノート双方合わせ)は73%。代替的存在となりうるタブレット型端末はすでに45%と4割を超え、半数に近づきつつある。この区分にはiPadなどの他にKindle Fireも含まれるため、これが大きく貢献しているのだろう。一方で、タブレット型端末の普及もあってか、電子書籍リーダーは2割に届かない状態に留まっている。

娯楽関係では、携帯用ゲーム機(据え置き型)・携帯音楽プレイヤーは共に40%。少ないと見るか多いと見るかは判断に迷う値だが、今件調査は成人対象であり、さらに高齢者も合わせた平均値であることを考えると、5人に2人は多いと見なしてもよいかもしれない。また、据え置き型と比べると携帯ゲーム機の保有率が低めに見えるのは、日本の状況を認識し、それと比較してしまうからなのだろう。

これを経年推移で見たのが次のグラフ。各端末ごとに調査が行われた年月が異なるため、ややばらけた感じのグラフとなっている。また縦軸はあえて両グラフで統一し、比較がしやすいようにしてある。


↑ アメリカ合衆国のデジタル機器所有状況(18歳以上)
↑ アメリカ合衆国のデジタル機器所有状況(18歳以上)

携帯電話全体はゆるやかだが確実に上昇中。そしてスマートフォンの急激な上昇ぶりを見るに、中身が多分に従来型からスマートフォンに移行していく実態がうかがえる。パソコンは横ばいから漸減の動き。もっともこの程度ではまだ誤差の範囲であり、減少には至っていない可能性は高い。他方タブレット型端末もスマートフォン同様に順調な普及ぶりを示している。

エンタメ色の強い端末では、いずれもほぼ横ばい。直線部分が多いのは、調査そのものの回数が少ないからであり、ぶれによる傾斜の可能性もある。むしろ気になるのは電子書籍リーダーの動向で、1回前の調査(2014年1月)における32%から、直近(2015年3月)において19%と大幅に下落してしまっていること。誤差にしては少々大きすぎる差異であり、気になる動きには違いない。

上記では「タブレット型端末の普及もあってか」と表現したが、タブレット型端末の廉価化が進めば、電子書籍リーダーの必然性は下がる。似たような端末を複数所有する意味はさほど無い。この動きが確かなものなのか、さらなる調査結果の発表を待ちたいところだ。


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