コンビニ、スーパー、病院、郵便局…日々の生活の中で徒歩や自転車で行ける距離には何が必要だろうか

2015/10/26 05:21

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昨今ではネット通販の普及でやコンビニの浸透で随分と買い物も楽になったが、それでも日々の生活の中で多種多様な商品やサービスを取得するため、あちこちの店舗や事業所に足を運ばねばならないことに変わりはない。それらの店舗などが自宅のそばに無ければ、生活の上では当然難儀されられることになる。人々は生活を支える施設のうち何を「身近に無いと困る」と認識しているのだろうか。今回は内閣府が2015年10月19日に発表した国土形成計画の推進に関する世論調査の結果を元に、その必要不可欠と認識される施設の実態を確認していくことにする(【発表リリース:国土形成計画の推進に関する世論調査】)。



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スーパー、コンビニ、病院、郵便局、そして銀行


今調査の調査要件は先行記事【「自分の周りで人が減っていたり高齢化が進んでいる」85%が実感、最大理由は「周囲にお年寄りが増えた」】を参考のこと。

次に示すのは日常生活を営む上で、自宅から徒歩や自転車で行ける範囲に最低限必要と認識している施設を挙げてもらったもの。回答者のライフスタイルや就業状況、年齢などで大きく変化するが、それらをすべてまとめた平均値としての値となる。

↑ 日常生活を営む上で自宅から徒歩や自転車で行ける範囲に最低限必要とする施設(複数回答、2015年8月)
↑ 日常生活を営む上で自宅から徒歩や自転車で行ける範囲に最低限必要とする施設(複数回答、2015年8月)

最多回答率はスーパー、そして小売店舗・コンビニが続く。要は食料品を中心とした日用品を調達できる店が無いと困るとするもの。そして病院、郵便局、銀行などの公共サービス機関が続く。

小中学校は自分に子供が居れば必要不可欠。保育園や介護・福祉施設も回答者の状況次第で必要になる。広場、公園、緑地は娯楽施設的な立ち位置での重要性。

これを男女別に見たのが次のグラフだが、大よそ女性の方が高い回答率を示している。

↑ 日常生活を営む上で自宅から徒歩や自転車で行ける範囲に最低限必要とする施設(複数回答、2015年8月)(男女別)
↑ 日常生活を営む上で自宅から徒歩や自転車で行ける範囲に最低限必要とする施設(複数回答、2015年8月)(男女別)

二人以上世帯の場合は家事に従事することが多い女性の方が、日々の生活を支える施設の必要性を強く認識しているのだろう。特にスーパーや病院、郵便局は男性との差が大きい。他方コンビニは男性の方がより強い必要性を認識しており、日々の生活における行動性向の違いがすけてみえる。

歳と共に変わりゆく「必要な施設」


これを回答者の年齢階層別に仕切り分けしたのが次のグラフ。



↑ 日常生活を営む上で自宅から徒歩や自転車で行ける範囲に最低限必要とする施設(複数回答)(年齢階層別、一部)
↑ 日常生活を営む上で自宅から徒歩や自転車で行ける範囲に最低限必要とする施設(複数回答)(年齢階層別、一部)

歳を経るに連れて回答者自身、周辺の人間関係の変化に伴い、必要とされる施設が変わっていくようすが良く出ている。年上になるとコンビニよりはスーパーを選ぶようになり、病院や郵便局への重要性が増してくる。教育機関は子供が成長したり親離れをするので要らなくなるが、病院や診療所は必要性が増加する。また昨今では特に周辺住民とのあつれきが問題視される保育園・幼稚園などは見事なまでに「子供が居る世代」ほど必要性が高く、年上になるに連れて必要性が低下する。

利用頻度がさほど高くない施設は、年齢による差異もさほど出ていない。娯楽系施設は利用頻度はそれほどではないので、身近にある必要は無いとの認識なのだろう。

なお今件項目はあいまいな形で「自宅から徒歩や自転車で行ける範囲」とのみ説明しているが、歳を経れば当然歩行による移動可能距離は短くなり、自転車の利用も困難になる。これらの施設への要望もまた、歳と共に「もっと近くへ」「もう少し近所に」が多分に含まれていることも合わせて認識しておくべきではある。



やや余談になるが今調査では「徒歩や自転車で行ける範囲」の他に、「電車や自動車、バスで30分以内の距離」との条件で尋ねた結果も公開されている。要は手短には無くても良いが、少々時間と手間をかければあると良いと認識している施設を意味する。

↑ 日常生活を営む上で必要な施設(複数回答、2015年8月)(男女別)
↑ 日常生活を営む上で必要な施設(複数回答、2015年8月)(男女別)

最上位にはガソリンスタンド、次いで百貨店・デパート、映画館などの娯楽施設、行政機関の窓口、洋服や家電などの専門店などが続く。頻繁に足を運ぶわけではないものの、行動範囲内にあると便利な、手が届く範囲に存在することで安心できる施設が上位を占めている

また、「徒歩や自転車」「電車や自動車、バスで30分以内の距離」の回答値を比較することで、その施設の利用頻度、重要性の違いが確認できるのも興味深い。色々と考えさせられるグラフには違いあるまい。


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