やりとり中の携帯電話、雰囲気を壊す? 盛り立てる?? アメリカの場合は…

2015/09/27 10:07

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携帯電話、特にスマートフォンの多機能性を活かして他人とのやり取りの中で会話を盛り上げたり話を補足したりする経験をした人は少なくない。他方、会話中にも関わらず携帯電話の操作を繰り返し話に集中していない様子を見て、ストレスをためる人も多いはず。直に対面している場での携帯電話の操作は、コミュニケーションにおいてプラスとなるのかマイナスとなるのか。携帯電話に関する社会文化の観点では先を行くアメリカ合衆国の実情を、同国の民間調査会社Pew Research Centerが2015年8月26日付で発表した、携帯電話と人々の日常生活の様相を調査した結果報告書【Americans’ Views on Mobile Etiquette】を元に確認していくことにする。



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今調査の各種調査条件については、先行記事【大いに気になるアメリカでの携帯電話マナー事情】を参考のこと。

次に示すのは携帯電話を所有・利用し、最近知人との集まり・やりとりの中で、携帯電話の操作をした経験を持つ人(全体の82%)における、その操作で雰囲気的にプラス感を覚えたか、マイナス感を経験してしまったのか、その実情を複数回答で尋ねた結果。大よそプラス感の方が回答率が高い。

↑ 次のような経験をした・感じたか(2014年6月、アメリカ合衆国、最近知人との集まりの中で携帯電話の操作をした人)
↑ 次のような経験をした・感じたか(2014年6月、アメリカ合衆国、最近知人との集まりの中で携帯電話の操作をした人)

直近の集まりの中での行動だが、4割強の人が写真や動画の撮影・投稿をしている。多分に自撮りも含まれているのだろうが、携帯電話を使ったマルチメディアの撮影が、ごく自然に行われている様子が分かる。また、ソーシャルメディアなどに状況の投稿をする人も4割を超え、役立つ情報を検索取得した人も4割近くに達しており、お役立ちツールとしての活用ぶりがうかがえる。

他方、操作に熱中しすぎて集まりへの興味関心を失う、雰囲気を台無しにしてしまうなどの行為も1割強確認できる。集まりでの内容そのものよりも、携帯電話の操作の内容に興味が移ってしまうものだが、当事者はともかく周囲の人は良い顔をすることはないだろう。

年齢階層別ではプラス感・マイナス感共に若年層の方が経験率は高い。

↑ 次のような経験をした・感じたか(2014年6月、アメリカ合衆国、最近知人との集まりの中で携帯電話の操作をした人)(年齢階層別)
↑ 次のような経験をした・感じたか(2014年6月、アメリカ合衆国、最近知人との集まりの中で携帯電話の操作をした人)(年齢階層別)

報告書でも指摘されているが、いずれの項目でも若年層ほど高い経験率である一方、プラス感は(集まりの内容のソーシャルメディアなどへの投稿は別として)年齢の差がさほど大きくないが、マイナス感では大きな差が出ている。元々歳を経るほど携帯電話をリアルな集まりの場で使うことに抵抗感を覚えていることは、先行記事で解説した通りで、その行為を自らするのははばかられるとの意識の結果によるものと考えられる。

↑ 友達などとの集まりの際に携帯電話を使うことで会話や雰囲気を…(2014年6月、アメリカ合衆国)(年齢階層別)(再録)
↑ 友達などとの集まりの際に携帯電話を使うことで会話や雰囲気を…(2014年6月、アメリカ合衆国)(年齢階層別)(再録)

雰囲気を損なうことはよくある、と自覚している人が、積極的にそのような場で携帯電話を使ってそのリスク行為となりうることを手掛けることは考えにくい。特に「これは雰囲気を壊すかな」と自覚できるようなことは強く躊躇するだろう。

一方、若年層ほど携帯電話をリアルな相対の場でもコミュニケーションツールとして用いる様相は、日本とさほど変わりはない。子供達の携帯ゲーム機などと同じようなポジションなのかもしれない。


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