写真を撮ったりメールを読んだり…アメリカにおける友達との集まりの中で携帯電話の操作実情を探る
2015/09/25 14:44
多機能を有しリアルタイムでリアクションが可能な携帯電話は、その機能ゆえに日常生活の中でしばしば「割り込み」をしてくることがある。それを意図的、能動的に行う行為を「ながら携帯(スマホ)」と呼ぶが、状況次第では周囲に剣呑な空気をまき散らすことにもなりかねない。実際に携帯電話を使っている人は、実対面の場でどれほど携帯電話の操作をしているのだろうか。今回は携帯電話の社会文化では最先進国の立場にあるアメリカの現状に関して、同国の民間調査会社Pew Research Centerが2015年8月26日付で発表した、携帯電話と人々の日常生活の様相を調査した結果報告書【Americans’ Views on Mobile Etiquette】を元に確認していくことにする。
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最近リアルでの集まりの中でSMSやメールを読んだ人は6割超え
今調査の各種調査条件に関しては、先行記事【大いに気になるアメリカでの携帯電話マナー事情】を参考のこと。
次に示すのは携帯電話所有者に対し、最近(原文では「一番間近な場面」とある)における知人との集まりの中で、次のような携帯電話の操作をしたか否かを尋ねている。その操作が集まりの会話、やりとりにどのような関係があったのか(暇つぶしで、単に合間をぬう形で、話の詳細を確認するために、周囲から求められて)は問われていない。
↑ 最近の知人との集まりの中で次の携帯関連の行動をしたか(2014年6月、アメリカ合衆国、携帯電話所有者限定)
何らかの行動をした人は9割近くと大部分に及ぶ。その中身を見ていくと、SMSやメールを読んだ人がもっとも多く6割超え、次いで写真や動画を撮った人が6割近く、SMSやメールの送信・音声による電話を受信した人が5割と続いている。「音声電話の着信」は電話をかけてきた側の事情が多分にあり、受け手側は回避がし難いが(あえて電話には出ない、あるいは電源をオフにしておく選択肢もある)、それ以外は能動的な行為に他ならない。実対面の場でも、携帯電話を操作して何かをすることが、ごく当たり前に行われている実情が分かる。
もっとも、何らかの理由があれば話は別だが、回答者側から意図的に「音声電話をかけた」「アプリを使った」などは、明らかにその場のやりとりからは外れる行為であり、周囲に居る人がどのような印象を持つかは、色々と考えさせられるものがある。
スマホ持ちは対面時でもスマホに夢中
これをいくつかの属性別に仕切り直して確認したのが、次以降のグラフ。
↑ 最近の知人との集まりの中で次の携帯関連の行動をしたか(2014年6月、アメリカ合衆国、携帯電話所有者限定)(所有携帯種類別)
大よそスマートフォン所有者≒利用者の方が、行動率は高い。それぞれの行動を行える機能を実装しているか、使っているかの違いによるところが大きいのに加え、従来型は高齢層、スマートフォンは若年層の方が利用者率が高く、そして若年層の方が携帯電話を実対面中に使う事への抵抗をあまり感じていないことによるものだろう。
前者は「電話(音声)を受けた」「電話(音声)をかけた」など、スマートフォンでも従来型携帯電話でもさほど変わりなく使える機能で、差があまり出てないことが裏付けとなる。後者に関しては次のグラフで理解が深まる。
↑ 最近の知人との集まりの中で次の携帯関連の行動をしたか(2014年6月、アメリカ合衆国、携帯電話所有者限定)(年齢階層別)
大よそ若年層ほど経験率が高く、高齢層では低い値に留まっている。また上記の仕切り分け同様、音声周りの経験率は若年層とさほど差異は無く、能動的なその他の行為は大きな差が出ている。特にスマートフォンでないと難しい行為では差が大きく出ている。
報告書では一部数字のみが掲載されているため、グラフ化は略するが、この他に男女別の値も確認できる。それによれば公開されている限りでは、すべての項目において男性の方が女性よりも高い回答値が示されている(例えばメールなどのチェックは男性37%、女性31%。アプリ利用は男性34%、女性24%)。実対面時における相手との熱中度は男性の方が低い(ので敬意電話に気を取られる)のか、それとも男性の方が多種多様な機能を使いこなしているからなのか、そこまでは判断できないものの、興味深い動きには違いない。
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