redditやDiggなどアメリカの討議系ネットサービスの利用状況を探る
2015/09/11 10:40
アメリカ合衆国の民間調査会社Pew Research Centerは2015年8月19日、同国におけるソーシャルメディアなどの利用状況を調査した報告書【Mobile Messaging and Social Media 2015】を発表した。今回はその中から、主に討議などで用いられる投稿型サービス、例えばredditやDigg、Slashdotなどと、シンプルなネット上のスクラップブック的サービスTumblrの利用状況を確認していくことにする。
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今調査はアメリカ合衆国在住の18歳以上の男女に対し、電話によるインタビュー形式で行われたもので、有効回答数は1907人。うち672人は固定電話、1235人は携帯電話で実施されている。携帯電話による回答者のうち730人は固定電話を有していない。回答者のうちインターネット利用者は84.5%。
インターネットの普及浸透、特にスマートフォンの普及率の上昇に伴い、これまで以上に多種多様なウェブサービスが展開され、多くの人に用いられるようになっている。次に示すのはそれらのサービスのうち、いわゆる討議投稿型のサービス、例えばredditやDigg、Slashdotなど、投稿された素材と、それに関する意見のぶつけ合いがメインとなるものに対する利用状況を確認したもの。インターネット利用者限定の回答率であることに注意。仮に大人全体に対する利用率を知りたければ、提示されている値に0.845をかければ概算値が算出できる。
↑ 討議系のサービス(reddit、Digg、Slashdot等)を読み書きしているか(米、2015年春、インターネット利用者限定)
全体では15%、男女別では男性が女性のほぼ2倍に達しており、この類の討論系サービスでは男性の方が積極性を有していることが分かる。また世代別では若年層の方が利用率は高めで、30歳未満に限れば1/4近くが利用している。学歴別では特定できるような傾向は無い。
世帯年収別では最下年収層の利用率が飛びぬけて高く、次の層で大きく下がり、その後は少しずつ上昇していく。また居住地域別では都心部の方が利用率は高め。
日本でも一時期流行したこの類のサービスだが、現在ではredditやSlashdotなどは同名で日本語サービスも展開されているもののそれほど大きな勢いを有しているわけではない。一方で、いわゆる「まとめサイト」の類に関してコメント欄部分を「討議・討論の場」と判断すれば、恐らくは今件項目のアメリカ事情以上の利用率を示すものと考えられる。
討議とはまったく逆の立ち位置になるが、引用要素を多分に含むブログサービス的なもので、オンライン・スクラップとも表現できるのがTumblr。こちらの利用状況も確認しておく。Tumblrは類似サービスPinterestと比べれば「オンラインスクラップブック」との観点では同じだが、利用ハードルの低さと雑多感、そして他の利用者の投稿を自分のページに再投稿する「リブログ」機能が特徴的。Pinterestが女の子の人形入れならば、Tumblrは男の子のおもちゃ箱のようなものだろうか。
↑ Tumblrを利用しているか(米、2015年春、インターネット利用者限定)
利用率は全体で1割。討議系サービスと異なり、男女の差異はほとんど無い。世代別では若年層の利用率が高いのは同様だが、世代間の格差が大きく、65歳以上では2%しかいない。マルチメディアの切り貼りはシニア層には好まれないようだ。
学歴による差異はほとんど無い。世帯年収別では概して低年収ほど高い値だが、最高年収層で大きく利用率が跳ね上がる。また居住地域別では討議系と同じく、都市部ほど利用率が高くなる。
日本では一部で熱烈なファンが居ることに加え、「リブログ」機能のフル活用で横のつながりが強いTumblrだが、利用状況の盛況さはあまり耳にしない。恐らくは今件のアメリカでの利用実態より、利用率は低いのだろう。
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