テレビが一番、パソコン二番…主要メディアに覚えるポジティブ感(2015年)
2015/09/10 08:15


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今調査の調査要項は先行記事【テレビは4割を切り、タブレット型端末と従来型携帯・スマホで1/4を超える……メディア接触時間推移(2015年)(最新)】で確認のこと。
次に示すのは主要メディア、具体的にはテレビ・ラジオ・新聞・雑誌・パソコン・携帯電話(従来型とスマートフォン双方)それぞれにおける、ポジティブなイメージに係わる設問22項目と「分からない・当てはまるものは無い」について、複数回答で答えてもらい、その値をすべて足して「メディアイメージ総量」として算出したもの。この値が高いほど、そのメディアに対するイメージが良い、期待されている、注目を集めていると認識できる。
もっとも厳密にはテレビ・ラジオ・新聞・雑誌の従来型メディアは、その媒体自身と発信元・情報制作元がほぼ画一化され固定されている、独占的な情報媒体であり、媒体と情報発信元が事実上イコールである(例えば「新聞」との表現は、純粋に紙媒体としての新聞紙を意味する場合もあれば、情報発信元の新聞社までをも包括した、情報発信組織・業界との認識もなされる)のに対し、パソコンや携帯電話(によるインターネットでの情報のやりとり)は業界による情報の集約化や独占・寡占化が成されているわけでは無く、純粋なインフラとしての意味を持つもので、両者には違いがあることを注意しておかねばならない。厳密にはパソコンや携帯電話で用いられるインターネットと同列に並べられるのは「新聞」では無く、「新聞紙」であり「新聞の配送システム」でしかない。

↑ メディアのポジティブイメージに対する設問の回答率総量(イメージ総量)推移
直近となる2015年においてはテレビが一番好感的で、次いでパソコン、携帯、新聞と雑誌がほぼ横並びでラジオが続く。パソコンと携帯電話を同一視すれば、広告業界における月次売上動向とほぼ一致した位置関係であり、大きな納得感を得られる状況に違いない。
他方各メディア毎の経年動向を見ると、ラジオはほぼ横ばい、テレビや新聞、雑誌は漸減、パソコンも意外に減少のさなかにあり、携帯のみが確実な形で増加している。利用できる情報ではパソコンも携帯もほぼ同じなのだが、それを利用するメディアとしての価値の点で、携帯は期待され、好感されていることになる。
元資料には22項目それぞれについて詳細な回答率が掲載されている。その内容は資料自身で確認してもらうとして、今回は情報関連を中心として7項目を抽出し、メディア毎の回答率を確認する。

↑ メディアのポジティブイメージに対する設問の回答率(2015年、一部)
分かりやすさや仲間とのコミュニケーションの素材としてはテレビの圧倒感が確認できる。他方、情報そのもののスピード感の点ではパソコンや携帯がテレビすら追い抜いている点には注目したいところ。また無くてはならない存在の観点でも、パソコンや携帯はテレビ以上の存在となっている。さらに検索や蓄積性が活かされる形で、情報の詳しい理解ができる点でもパソコン・携帯は高く評価されている。
情報の信頼性に関しては、新聞が一番でテレビが二番、ラジオがそれに続く形。パソコンや携帯電話=インターネット全般の情報に関する信頼性は低い。ただしこれは上記の説明の通り、情報発信元を特定せず「インターネット全般」としての認識であることに留意が必要。
今件におけるパソコンと携帯の違いだが、上記のグラフ中の回答率の動向を見る限り、パソコン経由のインターネットは多分に仕事や勉強などの公的・仕事上の利用、スマートフォンによるアクセスはプライベートな利用で、その違いか表れているものと考えられる。
各情報関連の調査では、すでにインターネット利用率の点でパソコンをスマートフォンが追い抜く結果が出ている。今調査のイメージ総量でも、恐らく来年か再来年には、両者間の立ち位置が入れ替わる結果となるだろう。
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