日本、中国、そしてインドのトップはアジア諸国の人達から信用されているのだろうか
2015/09/07 14:45


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今調査の調査要目などは先行記事【日中印韓、もっとも好かれているのは日本で7割超え】を参考のこと。
今調査の主要対象国のうち日本、中国、インドそれぞれの実質的政治上のトップに当たる安倍氏・習氏・モディ氏を挙げ、それぞれに対し、世界に良い影響を与えている、良い方向に導いているとして信用しているか否かを「大いに信用」「信用」「あまり信用しない」「まったく信用しない」(と「分からない」)の選択肢の中から1つ選んでもらい、そのうち前者2つを信用派、後者2つを非信用派としてカウント、該当人物がいる国の回答を除外して中央値を算出した結果が次のグラフ。

↑ 全体的な「世界に良い影響を与えている・良い方向に導いているとして信用しているか」の信用度(信用派)(中央値、該当国はのぞいて算出、2015年春)
安倍氏への信用派は43%、習氏の47%の方が4%ポイントほど高い値を示している。一方で非信用派は安倍氏が19%に留まり、習氏は10%ポイントの29%。習氏は肯定・否定派による二分化が著しい傾向にあると考えられる。モディ氏の場合は安倍氏・習氏の中間的ポジションだが、やや非信用派が多い。
これを各国の詳細回答率別に見たのが次以降のグラフ。

↑ 世界に良い影響を与えている・良い方向に導いているとして信用しているか(2015年春)…日本(安倍)

↑ 世界に良い影響を与えている・良い方向に導いているとして信用しているか(2015年春)…中国(習)

↑ 世界に良い影響を与えている・良い方向に導いているとして信用しているか(2015年春)…インド(モディ)
まず日本の安倍氏だが、先の好感度の記事同様、中国と韓国からの嫌悪度が著しい。特に韓国は6割超えが「まったく信用せず」の回答を示し、中国以上の強烈さを示している。「分からない・無回答」も1%でしかない。まさに感情の国、的感はある。信用派の少なさはインドやインドネシア、パキスタンでも見受けられるが、これらの国は「分からない・無回答」の回答率が4割前後に達しており、「そもそもよく知らない」的な雰囲気が強い。意志を明確化した人に限れば、いずれも高い信用派で占められている。むしろ明確な意思表明をした人の中のみで信用派を再算出すると、韓国と中国以外では、よりによって日本が一番信用派が少ない、あまり笑えない状況にあるのが実情。
中国の習氏では中国自身の回答が無い。元資料でも特に説明は成されていないが、他の調査同様「国内政治に係わる批判的な意見」に抵触する用件は、設問そのものが不可能となるお国事情によるものだろう。それ以外では領土関連問題で係争中のベトナムやインド、インドネシアで値が低め、日本はもっとも強い嫌悪感を示している。もっともオーストラリアをはじめ、インド、インドネシア、パキスタンのように「分からない・無回答」の回答率が高いのも特徴的。
インドのモディ氏はインド自身が極めて高い値で信用されている以外は、2割から4割台が「分からない・無回答」を表しており、各国とも判断が難しい実情が表れている。もっとも、係争中の中国やパキスタンの値はいくぶん低め。
これらを包括して確認できるように、信用派のみをカウントしたのが次のグラフ。「分からない・無回答」はそのような意思表示と評価し、それをのぞいた上での再計算は行わない。

↑ 世界に良い影響を与えている・良い方向に導いているとして信用しているか(2015年春)(信用派)
最初に挙げたグラフで全体の中央値として5割を超えた人物が一人もいないことから分かる通り、また元資料でも言及されているが、全体的に信用が置かれている人物は皆無となっている。単純に順位付けをすると、安倍氏がトップの国はオーストラリア、インドネシア、日本、マレーシア、フィリピン、ベトナム、習氏はパキスタン、韓国、モディ氏はインド(、中国)となり、安倍氏と習氏が競り合う形であることが分かる。
なおほぼ同時期に行われた同様の別調査では、アメリカ合衆国のオバマ大統領に対する信用度は69%。今回の三氏は、いずれもオバマ氏には及ばないということか。
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