意外に長い? それとも短い? 日米中韓の高校生のネット利用時間の違い(2015年)

2015/09/02 14:50

このエントリーをはてなブックマークに追加
インターネットのインフラとしての浸透や、そこに接続するためのパソコン、スマートフォンなどのツールの普及に伴い、情報の概念は大きな変化を遂げ、日常生活にも多大な影響を及ぼしつつある。その変化は子供達にも及び、好奇心に満ちあふれ、技能をある程度習得した高校生には魔法のような存在として認知され、病み付きになる問題が生じているほど。今回は独立行政法人国立青少年教育振興機構が2015年8月28日に発表した、日本、アメリカ合衆国、中国、韓国の高校生における生活様式や意識に関する調査報告書「高校生の生活と意識に関する調査報告書-日本・米国・中国・韓国の比較-」の中から、4か国の高校生におけるインターネットの利用状況を確認していくことにする(【発表リリース:高校生の生活と意識に関する調査報告書-日本・米国・中国・韓国の比較-】)。



スポンサードリンク


今調査は2014年9月から11月にかけて日本、アメリカ合衆国、中国、韓国の高校生に対して集団質問紙法によって行われたもので、サンプル数は各国で1560から2518。

調査対象母集団に対し、平日に一日平均どれ位インターネットを利用しているかを尋ねた結果が次のグラフ。調査票の限りではアクセス端末は制限していないので、パソコン以外にスマートフォンなども(回答者が「インターネットを利用している」と認識している限り)該当する。また利用目的も問われていないので、電子メールの利用やブラウザによるサイトの閲覧、ゲームやソーシャルメディアへのアクセスも該当すると考えて良い。

↑ 平日、一日当たりのインターネット利用時間(学校の授業での使用をのぞく)(2014年、高校生)
↑ 平日、一日当たりのインターネット利用時間(学校の授業での使用をのぞく)(2014年、高校生)

↑ 平日、一日当たりのインターネット利用時間(学校の授業での使用をのぞく)(2014年、高校生)(概算平均、時間)
↑ 平日、一日当たりのインターネット利用時間(学校の授業での使用をのぞく)(2014年、高校生)(概算平均、時間)

今調査ではアクセス端末の利用・所有の有無は尋ねていない。「ほとんど利用せず」がアクセス端末を利用できない立場にあるのか、(平日の)使用は意図的にしていないのかまでは確認ができない。最大で「ほとんど利用せず」の回答率までが、各国の高校生における「インターネットを利用していない人の割合」となるが、中国以外は1割前後でしかない。またその中国も2割を切っており、今回調査の各国では高校生の大部分が何らかの形でインターネットにアクセスできる環境下にあることになる。

利用時間だが、一目でアメリカの長さが分かる。2時間以上が実に6割を超えている。6時間以上が2割近く。これは休日では無く平日である事を思い返せば「いつ寝ているのか」と心配になるのも不思議ではない(ながら利用が多分に及んでいるのだろうが)。日本は平均2時間ほどで、2時間以上の利用が4割。韓国と中国は平均値を算出するとほぼ同時間(1時間40分強)となる。

それではこのアクセス時間において、高校生たちは何をしているのか。主要サービスを例示し、3つ挙げてもらった結果が次のグラフ(設問の限りでは学校利用の有無が記述されていないので、学校での利用も含む。そのため、上記グラフで「ほとんど利用せず」の回答者も、何らかのサービスを選択している可能性がある)。

↑ インターネットで主に何をしているか(高校生、2014年、3つ選択)
↑ インターネットで主に何をしているか(高校生、2014年、3つ選択)

どの国でも一番使われているのはSNS(ソーシャルメディア)。今件調査の定義ではツイッターやFacebook以外にLINEも該当しているので、利用率はさらに底上げされている。次いで意外に思う人もいるかもしれないが、音楽視聴が上位についている。日米中韓いずれの高校生も、インターネットを音楽視聴ツールとしてよく使っているようだ。

続く利用状況を示すのは動画視聴。ただし韓国では動画視聴以上にゲームの利用率が高い。韓国をのぞけば高校生のネット利用目的は「ソーシャルメディア、音楽視聴、動画視聴」が主なものとなり、他人とのコミュニケーションやマルチメディアのエンタメツールとして、インターネットを活用していると理解してよいだろう。

今件項目では「主なものを3つ選択」とあるので、他の選択肢の回答率はさほど高くないが、それらの目的ではまったく使っていないわけではない。優先順位が低いだけに過ぎないことを注意しておく必要はある。

ちなみに各国の利用状況を上位順で並べると次の通り。

・日本…SNS、音楽、動画、ゲーム、ニュース

・米国…SNS、音楽、動画、勉強用の調査、ゲーム

・中国…SNS、音楽、動画、ゲーム、勉強用の調査

・韓国…SNS、音楽、ゲーム、動画、ニュース

高校生限定ではあるが、それぞれの国のインターネット上のコンテンツに対する需要の違いが見えて興味深い。


■関連記事:
【認知度は韓国が断トツ、関心度はタイがトップ…日本のメディアあれこれ】
【アジア諸国のインターネット普及率など(2015年)(最新)】
【欧米は歴史と文化、韓国は生活、タイは観光…大きく異なる日本への興味分野、情報の入手先】



スポンサードリンク



このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2025 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|X(旧Twitter)|FacebookPage|Mail|RSS