スマホと従来型携帯それぞれの携帯電話普及状況(2015年)(最新)
2015/08/09 12:20
今や日常生活には欠かせない存在となった携帯電話。特にスマートフォンの普及浸透ぶりはこの数年で加速度的なものとなり、それに伴い人々の社会生活様式も大きな変化を迎えている。多種多様な調査でこの携帯電話の普及状況は精査されているが、今回は5年に一度の間隔で実施されている総務省統計局による全国消費実態調査の、最新版2014年分における主要耐久消費財に関する調査結果を元に、その実情を確認していくことにする(【発表ページ:平成26年全国消費実態調査】)。
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従来型は67.4%、スマートフォンは50.2%
今調査に関する調査要目は先行記事【普通乗用車より軽自動車が所有される時代…自動車の車種・世帯種類別普及率(2015年)(最新)】を参照のこと。
まず最初に示すのは、総世帯、つまり単身世帯と二人以上世帯を合わせた全世帯における、世帯ベースでの普及率。同一世帯で複数台を所有していても、単に「所有しています」だけとなるので注意。2台所有していても普及率が2倍になるわけではない。
↑ 携帯電話の世帯普及率・所有世帯の平均所有台数(2014年、総世帯)
老若男女、あらゆる世帯を含めた結果であるため、意外に低い値のように見える。しかし従来型携帯電話は今なお少なくとも2/3の世帯が所有しており、スマートフォンはほぼ半数の世帯が有していることになる。前回調査(2009年分)との比較をしたいところだが、前回分は単に携帯電話との項目でしかなかったため、単純比較は不可能。見方を変えればわずか5年で、携帯電話事情はダイナミックな変化を生じたことになる。
なお主要世帯ににおける平均所有台数はスマートフォンが1.73台と、従来型よりやや多い。携帯電話は元々パーソナル、プライベートな端末であるだけに、機種のシフトが起きる際には、世帯構成員のすべてでほぼ同時期に生じるため、このような結果が出るのも当然といえる。他方、「少ないのでは?」との疑問もあるかもしれないが、これは後述する通り、単身世帯も含まれるから。
単身世帯と二人以上世帯を別々に見てみると
続いて単身世帯と二人以上世帯(要は夫婦世帯)それぞれの動向を確認する。単身世帯、つまり世帯主がそのまま世帯構成員全員=一人の場合、男性か女性かで大きな変化が生じるため、単身世帯は男女別々に値を確認する。
↑ 携帯電話の世帯普及率・所有世帯の平均所有台数(2014年、単身世帯)
↑ 携帯電話の世帯普及率・所有世帯の平均所有台数(2014年、二人以上世帯)
まず単身世帯。意外にも女性の方がスマートフォン普及率は低い。これは中堅層以降の所有率が低く、かつ中堅層の比率が男性よりも女性の方が多い(長生きしている人が多い)ため。従来型携帯電話は女性の方がいくぶん所有率は高い。
一方、所有台数は従来型もスマートフォンも一世帯あたりほぼ1台で変わらず。これは当然ながら、単身世帯では構成員が世帯主本人のみであるため。仕事などの理由で複数台所有している事例はゼロではないが、ごく少数に限られていることになる。
他方二人以上世帯では従来型・スマートフォンの普及率共に高く、特にスマートフォンは6割近くを示している。さらに所有台数も2台近く。これは多分に夫婦それぞれが保有している、さらに子供がいる場合は子供も所有している事例が多々あるため、平均値を底上げしているのが原因。
従来型携帯電話の所有率が7割強と高めなのは、高齢層の保有の場合に加え、子供が防犯用に使っている事例もあるからだろう。
世代区分では……
最後は世帯主の世代区分。単身世帯ではそのまま構成員=所有者=世帯主となるため、その年齢階層の所有性向も透けて見えてくる。なお年齢階層区分では所有台数まで掲載すると煩雑になるため、普及率に限定してグラフ化を行う。
↑ 携帯電話の世帯普及率(2014年、単身世帯)(年齢階層別)
↑ 携帯電話の世帯普及率(2014年、二人以上世帯)(年齢階層別)
従来型携帯電話は高齢層ほど、スマートフォンは若年層ほど普及率が高いのは男女共通だが、女性は男性よりも従来型携帯電話の持ち率が高い。これは意外かもしれない。そして直上で触れた通り、女性は若年層のスマートフォン所有率は高いが中堅層以降でグンと下がり、これが全体の平均値を押し下げる要因となっている。
二人以上世帯でも状況は似たようなもの。特に30歳未満ではスマートフォンの普及率は93.4%とほぼ全世帯的な値。50代でも8割近くで、60代に入ってようやく半数を切る。スマートフォンと従来型の値が逆転するのは50代に入ってからで、この境目は他の類似調査とさほど変わる所が無い。
本文でも触れているが今調査は5年おきの実施で、前回調査では従来型とスマートフォンの仕切り分けが行われておらず、単純比較は不可能のため、経年変化の動向を精査することは叶わない。あくまでも現状認識としてのデータと見てほしい。
次回の調査は2019年実施・2020年の発表となるが、その頃には今件のような従来型・スマートフォンの仕切り分けのままだろうか。それとも先行記事のテレビ項目でも「ブラウン管と液晶の区切りが無くなり、単にテレビだけ」となったように、スマートフォンのみの設問となるのだろうか。あるいはスマートフォンの次の世代の携帯電話が主流となっているかもしれない。
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