動画、検索、ショッピングはほぼ同率…スマホとタブレット型端末のサービス別利用状況を確認していく(2015年)(最新)

2015/07/26 12:32

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今や全体普及率が7割に近づくスマートフォンや、急速に浸透を進めているタブレット型端末は、機器そのものが有する機能はもちろんのこと、インターネットと接続してサービスを利用することで、多種多様な便益を得られる道具となる。これまで他の機器で独立していた機能が一つの端末に集約されるのだから、これほど便利なものは無い。今回は2015年7月7日付で博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所が発表した、メディアすう勢を推し量る指針となる定点観測データが豊富に盛り込まれた「メディア定点調査」の最新版「メディア定点調査2015」(抜粋版)から、スマートフォン・タブレット型端末それぞれの所有者における、機能やサービスの利用状況を確認していく(【発表リリース:メディア環境研究所「メディア定点調査2015」時系列分析】)。



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今調査の調査要項や注意事項は先行記事【メディア接触時間推移(2015年)】で説明済み。詳しくはそちらを参考のこと。

次に示すのはスマートフォン、タブレット型端末それぞれの所有者における、サービス利用状況。例えばスマートフォンのメール送受信は92.6%とあるので、スマートフォンを所有・利用している人の9割以上は、メールの送受信を利用していることになる。

↑ スマートフォン・タブレット型端末所有者におけるサービス利用状況(2015年、東京地区、個々端末所有者限定、複数回答)
↑ スマートフォン・タブレット型端末所有者におけるサービス利用状況(2015年、東京地区、個々端末所有者限定、複数回答)

スマートフォンではメール送受信機能をほとんどの人が用いているが、タブレット型端末では4割しかいない。所有者の多くはスマートフォンを個人のプライベート端末として、多様な機能を使いこなす一方、タブレット型端末では家族などの共有端末、あるいは特定機能での利用端末的な扱い方をしていることがうかがえる。他方検索機能はスマートフォンもタブレット型端末でも9割前後が利用しており、ウェブ上のサイト散策は両端末で積極的に行われているようだ。

スマートフォンで次に多いのはカメラ、そしてニュース視聴、ソーシャルメディア。対してタブレット型端末は検索がトップで次いで動画視聴、ニュース閲覧が続く。両端末の使われ方の違いが透けて見えてくる。タブレット型端末によるソーシャルメディアの利用率の低さは、やや意外なところか。

両端末の利用特性を推し量るため、スマートフォンの利用率からタブレット型端末の利用率を算出したのが次のグラフ。値が大きいほどスマートフォンのみで使われている機能、値が小さいほど同じように使われている、そしてマイナス値が大きいほどタブレット型端末のみで使われている機能となるのだが。

↑ スマートフォン・タブレット型端末所有者におけるサービス利用状況(スマートフォンからタブレット型端末を引いた値、東京地区、2015年)
↑ スマートフォン・タブレット型端末所有者におけるサービス利用状況(スマートフォンからタブレット型端末を引いた値、東京地区、2015年)

大よその機能はスマートフォンで積極活用され、タブレット型端末では使われていない。カメラは機動力の問題から納得できるが、メール送受信やソーシャルメディア、音楽などはやや意外。いずれもプライベートなデータを扱うことから、共用されている事例が多いのかもしれない。

一方、ショッピング、検索、動画視聴は差がほとんど無い。動画視聴に関してはむしろタブレット型端末の方が所有者に対する比率では高い値を示している。これらの機能はスマートフォンとタブレット型端末で同様に活用されていることを意味する。それぞれの端末の利用スタイルを把握する上で、覚えておくとよいだろう。あるいは将来、スマートフォンでもタブレット型端末でも無い、新たなタイプの端末が登場する際にも、恐らくこの3機能は同じように重要視されるに違いない。見方を変えれば機動性のあるネット機器においては、この3機能・サービスの利用は欠かせないことでもある。

ちなみに各端末所有者に占める割合ではなく、全体比、つまり調査対象母集団全体においてどれ位の人がその端末で該当機能を利用しているかを算出したのが次のグラフ。例えばスマートフォンのメール送受信は64.0%とあるので、全体の2/3近くはスマートフォンでメールのやり取りをしていることになる。

↑ スマートフォン・タブレット型端末所有者におけるサービス利用状況(2015年、東京地区、全体比、複数回答)
↑ スマートフォン・タブレット型端末所有者におけるサービス利用状況(2015年、東京地区、全体比、複数回答)

やはり端末の所有率そのものの違いが大きく差となって表れている。タブレット型端末でも検索機能は1/4近くが使われているが、それ以外はすべて2割足らず。各サービスの機種対応の際には、色々と考えさせられる値ではある。


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