日常会話、世間話、そして目上の人への頼みごと…状況次第で変わる手段(2015年)(最新)

2015/06/05 11:16

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直接会って話す、手紙やはがきによる書面、電話による通話、そしてインターネットを使った多種多様な手法…人は実に多種多様なコミュニケーションの手段を用いることができる。それらの手段は伝える内容が同じでも、様式も相手に与える印象も異なるため、状況によって使い分けることが多い。ところがこの手段の選択に関し、世代間の格差が生じているとの指摘がある。そこで今回は総務省が2015年5月19日に情報通信政策研究所の調査結果として発表した「平成26年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の公開値を基に、三つの状況を想定し、その場合に一番よく使うであろう手段を尋ね、その実態を確認していくことにする(【発表リリース:「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表】)。



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調査要項などは今調査に係わる先行記事【主要メディアの利用時間】を参考のこと。

今項目では他人への意思表示の状況として「会合の連絡など友人との日常的な情報交換」「友人と、特に目的無く、おしゃべりしたり世間話を楽しむ際」「目上の人に改まった頼みごとをする際」と3パターンを想定し、それぞれの場合に回答者がもっともよく使う手段を答えてもらっている。あくまでも一般的なケースに対する回答で、実際には同じ目上の人でも相手によって違ってくる場合もあり、友人との世間話でもチャットがメインの人とクラスメイト相手とでは手段が違うこともある。

↑ 会合の連絡など友人との日常的な情報交換として最もよく使う手段(2014年)
↑ 会合の連絡など友人との日常的な情報交換として最もよく使う手段(2014年)

日常的な情報交換の手段としては、携帯メールがもっとも多く3割近く、ほぼ同率でソーシャルメディア、次いで電話での通話。会って話すが約16%。交換する情報の中身にも寄るので、まさにケースバイケースだが、回答者の普段の生活においてやりとりされる情報の内容や状況が、個々の手段の利用にマッチしているともいえる。

男女別では女性の方がネットメディアを多用し、男性は通話や直接対話が多め。男女間の対人関係のとらえ方の違いが見えてきて興味深い。そして世代別では若年層ほどソーシャルメディアが多く、年を経るに連れて携帯メールが増え、さらに携帯メールすら減って代わりに通話や直接対話が増えてくる。世代間の友人との距離の取り方や、コミュニケーションツールの利用スタイルの違いが見えてくる。

↑ 友人と、特に目的無く、おしゃべりしたり世間話を楽しむ際に最もよく使う手段(2014年)
↑ 友人と、特に目的無く、おしゃべりしたり世間話を楽しむ際に最もよく使う手段(2014年)

より近しい人との何気ないやりとりでは、どの世代も男女の差異も無く、直接対話がもっとも多い。「おしゃべり」という設問上のキーワードも多分に影響しているのだろう。それでもなお女性、若年層はソーシャルメディアを挙げる人が多く、歳を経ると代わりに電話での通話が増えてくる。話の相手が該当手段を持っていなければやりとりが出来ないことを考えると、各世代の標準的な意志疎通ツールの利用状況が透けて見えてくる。

↑ 目上の人に改まった頼みごとをする際に最もよく使う手段(2014年)
↑ 目上の人に改まった頼みごとをする際に最もよく使う手段(2014年)

目上の人への頼みごととなると、回答者自身にとっての「目上の人」がどのような立場にあるかは属性で大きな違いを見せるので、その点を考慮する必要がある。直接対話がもっとも多いのは友人との世間話の場合と変わらず、選択者はむしろ多い。次いで30代から50代までは電話の通話が多数を占めているが、これは業務上でのやり取りを想定しているものと考えれば道理は通る。他方、10代ではソーシャルメディアを使う人が通話よりも多い、50代から60代になると「そもそも目上の人へ改まった頼みごとをしていない」との回答が増えるのも特徴的ではある。



意思疎通の手段の選択は、個々の対人関係にも大きく影響されるため、今件はあくまでも一般論になる。同一世代でも、例えば専業主婦と外回りの営業の人とではがらりと選択が異なることは容易に想像できるように、就業スタイルで使う手段はまったく別のものになる。

余談になるがライフスタイルがある程度統一化された学生・生徒における状況は次の通りとなる。

↑ 状況別による行動の手段(2014年、択一、学生・生徒)
↑ 状況別による行動の手段(2014年、択一、学生・生徒)

事務的な連絡事項のやりとりにはソーシャルメディアを多用し、おしゃべりや改まった話は直接会って話す。社会がある程度閉じられ、対象人物とすぐに対面できる場合が多い学生ならではの選択ではある。同時に(複数回答では無く「もっともよく使う手段」ではあるが)学生・生徒内にソーシャルメディアがいかに浸透しているかをあらためて認識できる結果にも違いない。


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