東アジアの外交問題に関するニュースの情報源として、各メディアはどこまで信頼されているのだろうか(最新)
2023/11/27 02:42
新興諸国の経済発展と、一部の国による軍事面も含めた意欲的・積極的・高圧的な外交施策に伴い、東アジアの緊張はこれまでにない高まりを示している。その動向は対岸の火事ではなく、日本自身にも大きな影響を及ぼす、さらには関係のある事案も多数含まれており、一人一人が情報の収集に興味関心を持つのは当然の話。今回は総務省が2023年6月23日に情報通信政策研究所の調査結果として発表した「令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の公開値を基に、この東アジアの外交問題に関するニュースを取得する際に、主要メディアは情報源としてどれほど信頼されているのかについて確認していくことにする(【情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査】)。
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全体的には新聞が一番、テレビが二番
調査要項などは今調査に関する先行記事【主要メディアの利用時間(最新)】、信頼度などの計算方法は【国内の政治や経済問題の情報源として、各メディアはどこまで信頼されているのだろうか】で確認のこと。信頼度は高い方が信頼されている、低い方が信頼されていない、1.50が信頼されている・されていないの境目がざっと見的な説明となる。また「東アジアの外交問題」に関しては回答用紙にそのままの表現で書かれており、具体的にどの国、どの場所、どのような事案を対象にしているかの説明はない。その表現で回答者が考えたものが対象となる。
まずは全体的な統計。やはり新聞への信頼度が一番高い。
↑ 普段利用している情報源における信頼度(東アジアの外交問題)(2022年)
興味深いのは新聞に続くテレビとラジオがほぼ同じ値となっていること。東アジアの外交問題に限れば、映像付きのテレビと、音声のみのラジオへの信頼度はほとんど変わりがないことになる。
またインターネットニュースサイトの値が高いのも特徴的。もっともそれ以外のインターネット系、具体的にはソーシャルメディアや動画配信・共有サイト、ブログ・その他サイトは押し並べて低い値。1.50が信頼できる・できないの境界線となるので、インターネット系のメディアはインターネットニュースサイト以外「信頼できない」のらく印をおされていることになる。そして4マスの中では唯一雑誌も「信頼できない」に分類されると判断できる。
属性別に見てみると?
続いて各種属性別。まずは男女別。
↑ 普段利用している情報源における信頼度(東アジアの外交問題、男女別)(2022年)
多くのメディアで男性よりも女性の方が高い信頼度を示している。他のニュース項目でも女性は高めの値が出ているが、東アジアの外交問題に関してもまた同様なのだろう。ただし他のニュースで見られた、雑誌やソーシャルメディアのような口コミ色の強いメディアで男女差が大きくなるような傾向は無い。
続いて年齢階層別。
↑ 普段利用している情報源における信頼度(東アジアの外交問題、年齢階層別)(2022年)
他の調査項目においてはインターネット系のメディアでは、高齢層ほど低い値を示す傾向があるが、今件ではソーシャルメディア、動画配信・共有サイトやブログ・その他サイトで同様の動きがみられる。
4マスではおおよそ高齢層ほど高い値を示している。また先行する他の情報項目同様、東アジアの外交問題においても、10代は複数のメディアにおいて他の年齢階層と比べて突出した高い値、より高い信頼度を示している。虚報・誤報などの情報に関連するリスクとの対面経験がまだ浅いからなのかもしれない。
続いて就業形態別。
↑ 普段利用している情報源における信頼度(東アジアの外交問題、就業形態別)(2022年)
特に大きな、傾向だった動きは見られない。いくつかのメディアで無職が特段低い値を出しているのが目にとまる程度。
最後は世帯年収別。
↑ 普段利用している情報源における信頼度(東アジアの外交問題、世帯年収別)(2022年)
4マスではおおよそ高世帯年収ほど信頼度が高くなる傾向がある。新聞や雑誌のような紙媒体では顕著な動きとして確認できる。逆にインターネット系のメディアでは高世帯年収ほど信頼度が高くなる動きが見られる。ただしインターネットニュースサイトは4マス同様に、高世帯年収ほど信頼度が高くなる動きを示している。
海外ニュース、特に東アジア関連のニュースは、日本国内報道機関の報道においては、各社の、場合によっては記者のバイアスが反映されることがあり、外電の一次ソースや大元となる公的機関の情報を確認すると、印象が大きく異なる、まったく別の実態だったとする事案が相当な頻度で生じている。他の項目と比べ、全体的に信頼度が低いのも、それが遠因だと考えられる。
もっとも、他の記事でも指摘しているが、あくまでもこれは一般論。結局のところ、それぞれのメディアを用いて情報を配信する、個々の企業・組織の特性・姿勢により、信頼度は大きく変わってくる。その見極めができないと、「テレビだから丸ごと信頼できる」「インターネットだから全部うさんくさい」のような、仮の信頼度に右往左往してしまうことになるかもしれない。結局のところテレビもインターネットも、情報を伝達するツールでしかなく、その情報を信頼できるか否かは、配信側によるところが大きいことを忘れてはならない。
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